「基幹システムのモダナイゼーション」が追い込み期に突入 IDC:3年後には7割の基幹システムがクラウドに移行
IDC Japanは、国内企業のIT投資動向に関する調査結果を発表した。2023年はIT投資が拡大する見込みで、「基幹システムのモダナイゼーションが重要なフェーズに入る」という。
IDC Japanは2023年7月12日、国内企業のIT投資動向と基幹システムの稼働環境動向などに関する調査結果を発表した。これは2023年4月に企業のCIO(最高情報責任者)や情報システム部門長、それに準じる管理者を対象に、国内企業のIT投資動向と基幹システムの稼働環境動向などについて調査したもの。
IT予算は増加傾向
調査結果によると「IT投資を増加させる」という企業の割合が「減少させる」という企業の割合を9.4ポイント上回った。IT投資を増やす理由について聞くと、「ビジネス規模の拡大」「新規システム開発の増加」「経済状況」が上位に並んだ。なお、2022年の調査では、IT投資を減少させた企業の方が、増加させた企業を上回っていた。
基幹システムの稼働環境については、クラウド(プライベートクラウド、IaaS、PaaS、SaaSの合計)の割合は2023年4月時点で56.6%だが、2026年には73.9%まで増える見込みだ。IDC Japanはこの3年間でインフラのクラウド移行とアプリケーションのモダナイゼーションのどちらも進展すると予測しており、「特にアプリケーションのモダナイゼーションが進む」としている。
IDC Japanの村松 大氏(Software & Services マーケットアナリスト)は、「今後、基幹システムではインフラのクラウド移行からモダナイゼーションが重要なフェーズになるだろう。その際、サービスベンダーは、顧客のデジタルビジネスイニシアチブとの統合までスコープを広げて支援することが、顧客とベンダー双方の競争優位性を高める上で重要となる」と述べている。
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