クラウドベースの開発者向け仮想ワークステーション「Microsoft Dev Box」は、開発者の利便性向上と利用コスト最適化に貢献する?:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(199)
Microsoftは、クラウドベースの開発者向け仮想ワークステーション「Microsoft Dev Box」の一般提供を開始しました。Microsoft Dev Boxは、Microsoft Intuneで管理されるWindows 365クラウドPCの技術に基づいたサービスです。
アプリ開発に最適化された「Microsoft Dev Box」、従来のDevTest Labはテスト向け
「Microsoft Dev Box」は、ハイパフォーマンス構成済みで、すぐにコーディングを開始可能なクラウドベースの開発者向け仮想ワークスレーションです。仮想ワークステーションは「Dev Box」や「開発ボックス」とも呼ばれ、開発チームの管理者やリーダーが開発ボックスの仕様とネットワーク接続を定義した「開発ボックスプール」を設定することで、開発者は「Microsoft開発者ポータル」(https://devportal.microsoft.com/)から開発ボックスをセルフサービスで作成し、アクセスすることができます(画面1)。
画面1 管理者がネットワーク接続や開発ボックスの定義(Visual Studio 2022 Enterprise on Windows 11 Enterprise+Microsoft 365 Apps 22H2など)を作成し、開発者がセルフサービスで開発ボックスを作成してアクセスできるようにする
Microsoft Dev Boxは、2022年8月からパブリックプレビューが開始され、2023年7月10日(米国時間)に一般提供が開始されました。
- Dev-optimized, cloud-based workstations―Microsoft Dev Box is now generally available[英語](Microsoft Azure)
- Reimagining Developer Workstations with Microsoft Dev Box[英語](Microsoft Tech Community)
Microsoftは2016年から「Azure DevTest Labs」という、開発とテストの環境を素早くプロビジョニングするための無料のサービスを提供しています(画面2)。
Azure DevTest Labsのサービス自体は無料ですが、これはAzure仮想マシン(Azure VM)をホスティングするためのAzure IaaS(Infrastructure as a Service)上に、Windows、Windows Server、Linuxの仮想マシンをプロビジョニングして実行できるもので、Azure VMと同様にMicrosoft Azureのリソース使用量に応じて従量課金されます。
「Visual Studio」サブスクライバーの場合は、通常、クラウド上で実行することが許可されない「Windows 7 Enterprise」「Windows 8.1 Enterprise」「Windows 10 Enterprise」を含む「Windows Client」イメージをデプロイしてテストに使用できます。
Azure DevTest Labsは、開発やテストの目的で、一時的にさまざまなテスト環境を仮想マシンで準備するシナリオには向いていますが、フルタイムのアプリ開発では使いにくい部分がありました。
新しいMicrosoft Dev Boxは、フルタイムのアプリ開発から、一時的なハイパフォーマンスな開発/テスト環境など、さまざまな利用シナリオに柔軟に、コストを最適化できるサービスとして登場しました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Windows 11一般提供開始、企業での導入/展開時に注意すべきポイントは?
MicrosoftはWindowsデスクトップOSの最新バージョンである「Windows 11」を正式にリリースし、Windows 11対応ハードウェアを搭載したWindows 10デバイスに対して、無料アップグレードの段階的なロールアウトを開始しました。 - Windows 11登場! 11で変わること、思ったほど変わらないこと
新しいWindows OS「Windows 11」の正式出荷が2021年10月5日に開始された。Windows 10からの無償アップグレードが可能であるため、どのような新機能が実装されたのか気になる人も多いのではないだろうか。そこで、本稿ではWindows 11の新機能、削除された機能などを簡単にまとめてみた。 - 買って、試して分かったWindows 365(契約・セットアップ編)
Microsoftからクラウド上でWindows 10が動く「クラウドPC」の利用可能なサブスクリプションサービス「Windows 365」の提供が開始された。早速、サブスクリプションを契約し、クラウドPCの設定を行ってみた。契約からセットアップまでで見えてきた便利な点、不便な点などをまとめてみた。 - いよいよ完全終了へ。Internet Explorer(IE)サポート終了スケジュール
長らくWindows OSに標準装備されてきたInternet Explorer(IE)。その「寿命」は各種サポートの終了時期に左右される。Windows OSごとにIEのサポート終了時期を分かりやすく図示しつつ、見えてきた「終わり」について解説する。