「フリーランス保護新法」の概要とフリーランスエンジニアへの影響、注意すべき点総まとめ:企業内弁護士監修(1/2 ページ)
フリーランス保護新法って何なの? どんな影響があるの?――現在フリーランスで活躍しているエンジニアの皆さん、今後フリーランスになることを視野に入れている皆さん、そしてフリーランスエンジニアとビジネスを行う可能性のある皆さんに、フリーランス保護新法のあらましを分かりやすく解説します。
こんにちは。「働き方の新しい『当たり前』をつくる」を事業ミッションに掲げ、ITフリーランスと企業のマッチングサービスを展開する「ギークス」です。企業内弁護士としてギークスの法務領域を担っている、経営管理本部 コーポレートデザイン部 法務総務チームリーダー 恩田監修のもと、2023年4月に成立した「フリーランス保護新法」について、フリーランスエンジニアの皆さんに関わる視点で解説します。
「フリーランス保護新法」とは?
「フリーランス保護新法」は、正式名称を「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といい、特定の組織に属さずに活動するフリーランスの方々が安心して働ける環境を整備することを目的としています。
施行日は現時点で未定ですが、2023年5月12日に公布され、「公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」と定められていますので、遅くとも2024年11月までには施行されます。
「フリーランス保護新法」には、おおよそ以下の内容が含まれています。
- フリーランスに業務を委託する際に、具体的な内容を書面で開示する義務
- 委託事業者に禁止される事項
- ハラスメントの防止など労働者類似の保護
これらは、フリーランスの方々が直面する可能性のあるトラブルを未然に防止することなどを目的としています。
次項からは、「フリーランス保護新法」制定の背景や、他の法令との違い、フリーランスの皆さんが今からやっておくべきことなどを説明していきます。
保護新法の対象となる人
フリーランス保護新法は、「特定受託事業者」(第2条)を定義し、「フリーランス」として活動する方々はここに該当することになります。
具体的には、
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- フリーランスエンジニアの光と闇
世の中にはびこるフリーランス神話。果たして、フリーランスはITエンジニアの理想の働き方たり得るのだろうか――複雑怪奇なIT“業界”を解説する本連載。今回は、フリーランスという言葉の魔力に引き寄せられたエンジニアたちの理想と現実に迫る。 - ベテランフリーランスエンジニアが語る「ボクたちの案件の選び方」
フリーランスマスターたちは、新規参画案件選択時にどのようなポイントを見ているのだろうか。金銭などの条件、PC環境、それとも――? - ベテランフリーランスエンジニアが考える「良い現場、悪い現場」
働く現場を自分で選べるフリーランスエンジニアだからこそ、現場選びは慎重に行いたい。ベテランフリーランスたちは、どのような視点で現場を選んでいるのだろうか。