「Oracle APEX」が生成AIに対応 コーディング不要で生成AIとの対話機能をアプリに組み込める:チャットでSQLクエリを作成、改良可能に
Oracleはローコード開発プラットフォーム「Oracle APEX」の最新バージョンとなる「Oracle APEX 24.1」を発表した。コーディング不要で生成AIとのチャット機能をアプリケーションに組み込んだり、自然言語を使ってSQLクエリを作成したりできる。
Oracleは2024年6月17日(米国時間)、「Oracle APEX(Oracle Application Express)」の最新バージョンとなる「Oracle APEX 24.1」を発表した。
Oracle APEXは、「Oracle Database」「Oracle Autonomous Database」「Oracle Database Cloud Service」の利用者向けに無償提供されているローコード開発プラットフォームだ。オンプレミスまたはクラウド上のデータベースと統合されたアプリケーションを、さまざまなウィジェットを組み合わせる形で構築できる。
Oracle APEX 24.1の主な特徴は以下の通り。
Oracle APEX 24.1の特徴
生成AIと対話できるチャットウィジェットの追加に対応
生成AI(人工知能)と対話できるチャット機能をアプリケーションに追加できるようになった。設定画面上で対話型生成AIサービスのAPIを追加することで、生成AIと対話できるUI(ユーザーインタフェース)をコーディングなし(プロンプトのみ)で開発できるようになる。
「生成AIや自然言語処理用コンポーネントを構築することなく、アプリケーションでよりリッチな体験をユーザーに提供できるようになる」とOracleは述べている。
自然言語からSQLクエリを生成、修正できる
Oracle APEXのApp Builder上で、自然言語でSQLクエリを作成できるようになった。開発者はチャットを通じて、アプリケーションに必要なSQLクエリを作成したり、作成されたSQLクエリを修正したり、改良したりできる。
AIベクトル検索機能に対応
「Oracle Database 23ai」で追加されたAIベクトル検索機能を、Oracle APEXで利用できる。AIベクトル検索は、テキストや画像などのデータを数値ベクトルとして表現し、それらのベクトル間の類似度を計算することで、関連する情報を見つけ出す検索手法だ。アプリケーションにAIベクトル検索を組み込むことで、ユーザーはキーワードに関連する情報も迅速に取得できるようになる。
「Oracle APEX 24.1は『Oracle Database 19c』以降のバージョンで利用できる。AIベクトル検索機能を使うには、Oracle Database 23aiの利用が必要だ」と、Oracleは述べている。
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