「自分が知らない、自分」を知ると、未来のキャリアが見えてくる:仕事が「つまんない」ままでいいの?(114)(2/3 ページ)
人生100年時代や、未来の見通しが立てにくい中「キャリアの主体性が大切」といった言葉を見聞きするようになりました。言葉の意味は分かります。でも、具体的にどうすればいいのかが分からない。その答えは、未来よりも、過去にあるようです。
自分自身に「キャリアの主体性があるか」を問うてみる
さて、本稿をお読みの皆さんに対してあれこれお話しする前に、まずは僕自身に「キャリアの主体性があるか」という問いを立ててみたいと思います。
自分ごととして考えてみると、その答えは「8割ぐらいはできている」という感じ(感覚値)です。具体的な内容についてはプライベートなことも含むため、ここに全てを記すことは控えますが、そこそこは精神的にも金銭的にも独り立ちできていますし、将来「こんな未来になったらいいな」もあります。8割できていれば「それほど悪くはないな」という気持ちにはなれました。
ただ……この8割という数字は、あくまでも現時点の話で、10年後、20年後まで考えると、未来がどうなるのか僕には想像できないし、超能力者でもないので、未来を予知できません。「このままで、本当に大丈夫なのだろうか?」と、不安になります。
キャリアの主体性って言葉でいうのは簡単だけど、やっぱり難しいです。皆さんはどうですか?
自律的な人生設計とキャリアオーナーシップ
改めて考えてみると、未来というのはそもそもどうなるか分からないもの。それに対して「どうしたいのか、どうなりたいのか、どうあるべきなのか」と言われても、「それがよく分からないから困っているんじゃないか!」というのが、実際のところだと思うのです。
見えない未来を無理に見ようとする。でも、見えない。だから、ますます不安になってしまう……。
それならば、見えない「未来」を無理に見ようとするよりも、これまで歩んできた「過去」や「いま」に焦点を当てて、自分の得意なことや強み、個性や価値観などを棚卸しして、「自分が知らない、自分」を、ちゃんと知ること。
そして、「私が得意なのは○○です」「私の強みは□□です」「私にとって大切なことは△△です」「私の人となりは◇◇です」と、他者に説明できることの方が、案外「○○さんって□□ができるんですか!」「だったら、一緒に仕事しましょうよ!」につながるかもしれない……。
未来とは、こうして築かれていくもののようにも思います。
ちなみに、キャリア(carrier)の語源は、ラテン語の轍(わだち:carrus)なのだそうです。轍って、自分が歩んできた過去にあるものですよね。
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