日本で仕事すると、打ち合わせばかりしている気がする:Go AbekawaのGo Global!〜ヴィンさんFromベトナム(後)(2/2 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回もパーソルエクセルHRパートナーズでエンジニアとした働くNguyen Le Phu Vinh(グエン レー フー ヴィン)さんにお話を伺う。将来なりたいエンジニア像に近づくため、ヴィンさんが日々気を付けていることとは。
ワークライフバランスを取りながら、信頼されるエンジニアを目指す
阿部川 将来はどんなエンジニアになりたいですか。
ヴィンさん 高度な知識やスキルを持って、周囲から信頼されるエンジニアになりたいですね。後は、若いエンジニアのキャリアパスを少しでもサポートできるとうれしいですね。
阿部川 信頼をちゃんと積み上げないといけませんね。普段、気を付けていることはありますか。
ヴィンさん 信頼されるには専門の知識やスキルが必要だと思うのでそれをレベルアップさせるために勉強しています。あと人間性も重要だと思いますので、関連する書籍を読んで他の人の感じ方を理解しようとしています。
阿部川 なるほど。他の人のことを理解できる。信頼、それから人間性というお話ですね。
ヴィンさん はい。他にも気を付けていることがあって、それはワークライフバランスです。優秀なエンジニアとして社会に貢献したいとは考えていますが、今から10年もたったら子どもを育てていると思いますのでそういったプライベートも大事にして、健康に過ごしたいと思っています。だから、時間があればスキルアップのためにプログラミング言語を学んでいますし、週末にはランニングやギターを楽しんでいます。
ちなみにギターは高校の頃から弾いていて、フィンガースタイル(ピックを使わないで指ではじく演奏方法)で日本の楽曲も演奏しているそうです。
阿部川 それはいいですね。先ほど他の人の感じ方といった話題がありましたが、日本のエンジニアと一緒に仕事をして、ベトナムのエンジニアとの違いを感じるところはありますか。
ヴィンさん 文化の違いですかね。例えば、問題が起こったときの対処です。日本人のエンジニアは解決方法が分かったとしても、すぐには修正せず、関係者に報告して相談して、何が原因でどのように対応すればいいかをドキュメントに残した上で修正作業する、といったイメージです。ベトナム人のエンジニアであれば、問題の解決法が分かったらまずは修正する。その後も特にリーダーに連絡することはありません。なぜなら問題は解決しているのですから。
阿部川 なるほど。ベトナムでは「解決するのが最優先だからすぐやる」といった感じで、その原因や対策については必ずしも履歴を残すわけではない。一方、日本では原因やら対処法やらをまとめ、関係者で共有した上で実施する、というわけですね。日本のやり方は後から履歴を確認できるという点ではよいのですが、時間がかかりますね。
ヴィンさん はい。日本で働くと、いつも打ち合わせをしているように感じます。今は、そうした「考え方のギャップ」が分かってきたので、後輩のベトナム人のエンジニアにも伝えています。
阿部川 いつも打ち合わせはよくないですよね。日本のエンジニアは優先度付けについてしっかり考えてみた方がよいのかもしれません。その点、ヴィンさんが真ん中に入って通訳してくれるのは後輩にとってもありがたいでしょうね。
編集鈴木 先ほど、問題への対処の仕方について、日本とベトナムの違いの話をされていましたが、他にも、食べ物とか住む場所とかで日本とベトナムの違いを感じるところはありましたか。
ヴィンさん 都市の雰囲気だと思います。例えば日本では夜になったら静かになります。けれどもベトナムのホーチミンは、いつもにぎやかです。ホーチミンは東京に比べると人口が少ないけれど、雰囲気はもっとにぎやかだと感じます。恐らくベトナム人はオートバイによく乗りますので、バイクの音がうるさいのだと思います。
編集鈴木 「ナイトマーケット」もありますからにぎやかなのでしょうね。ナイトマーケットといえば、ベトナム料理でお勧めのメニューはなんですか。
ヴィンさん もちろん「フォー」です。私は地元の食べ物が大好きで、同じ料理でも、故郷のものは、スープの味もトッピングも違います。故郷で食べるフォーが1番おいしいです。
Go’s thinking aloud インタビューを終えて
内向的で家にばかりいた子は、ゲーム、アニメ、テレビ番組にどっぷりと漬かっていた。
何をしていたか、何を見ていたかというと「ポケモン」「ファイナルファンタジー」「ドラゴンボール」……いつもの日本のお家芸だ。もしもそれらがなかったら、そして優しい父親が高価なPCをプレゼントしてくれなかったら、自分はエンジニアにはなっていないと明言した。
先日、有明GYM-EXで開催された格闘ゲーム「ストリートファイター」の大会にお邪魔した。ドラゴンボール、「北斗の拳」などが存在しなかったら、戦いをあれほどまでに美しくビジュアル化し、プレイヤーはもちろん、観客までもあれほどエキサイトするコンテンツに昇華することはなかっただろう。プレイヤーと応援する側の「推し活」的な興奮。ケンカや破壊なのに、誰一人として実際に傷つくことはない、デジタルだからこそできる魔法だ。本当の戦争より、こちらの方がずっと良いに決まっている。
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