「ITで支える仕事」「ITリテラシー・デジタル活用」が上位に:40〜60代のリスキリング意識調査
リスキリングの認知は約8割に達する一方、取り組んでいるのは約2割にとどまった。セカンドキャリアへの移行は「収入減」「習得ハードル」「時間」などが障壁になっている。
日本語学校などを運営する行知学園は2025年11月6日、「セカンドキャリア×リスキリング」に関する意識調査の結果を発表した。調査は同年10月2〜3日に実施され、調査時に「キャリアチェンジ意欲がある」と回答した40〜60代の社会人637人から回答を得た。
近年、40代以降の社会人がセカンドキャリアを目指してリスキリングを考えるケースが増加傾向にある。今回の調査では、リスキリングを通じて新たなキャリアを築く中で、どのような職業に関心が集まり、どのようなニーズが重視されているのかを明らかにした。
リスキリングの認知8割、実行2割のギャップ
「リスキリング」という言葉を知っているか尋ねたところ、約8割が「はい」と回答した。約8割という高い認知率から、リスキリングが社会的に浸透していることが分かる。一方、「セカンドキャリアを見据えてリスキリングしたいと思うかどうか」という質問では、「既に取り組んでいる」は約2割にとどまった。「近いうちに始めたい」「関心はあるが未定」の回答が多数を占め、関心は高いものの行動に移せていない層が多いことが明らかになった。
「人に教える仕事」「ITで支える仕事」への関心
最も関心のあるセカンドキャリアの仕事としては、「事務・会計・総務など運営を支える仕事」(18.2%)、「コンサルティングする仕事」(17.1%)、「人に教える仕事」(16.8%)、が小差で上位を占めた。「ITで支える仕事(ITサポート・データ活用・業務効率化)」は14.8%で4位になっている。同社は「自身の経験や専門性を生かしつつ、組織や人を支える形で社会に関わりたいという意識がうかがえる」としている。
「人に教える仕事」に興味がある理由では、「人を育てることに興味があるから」(70.7%)が最も多く、「自分の経験を生かしたいから」(56.6%)、「自由な働き方ができそうだから」(25.3%)の順となった。
特に関心のある「教える領域」は「語学・コミュニケーション」が4割を超え最も多かった。「ビジネススキル(研修・人材育成)」(22.2%)「ITリテラシー・デジタル活用」(14.1%)も一定の関心を集めている。
「収入減」「習得ハードル」「時間」が不安要因
セカンドキャリアへの移行における不安点では、「収入が減ること」が最多となった。次いで「新しいスキルを身に付けるハードル」「学び直しにかかる時間」が挙がった。同社は「経済的な不安に加えて、スキル習得の難しさや時間的負担が、リスキリングをためらわせる要因になっている」としている。
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