GPUから光接続まで、AI基盤の「本命5社」 Gartnerが選んだ理由:生成AI利用を支えるベンダー(1/2 ページ)
生成AIの本番利用が広がる中、その処理を支えるAIインフラ分野の競争も激しさを増している。Gartnerは、AI半導体ベンダーの現在の競争における「Companies to Beat」(分野をリードする本命企業)を特定した。
企業における生成AIの活用が、“試験的な試み”から本番利用へと移行する中で、導入・活用の担当者にとっても「どのようなAIインフラを使うか」は無視できない観点だ。GPUだけでなく、CPU、ネットワーク、電力供給など、AIインフラを支えるそれぞれの領域でベンダー間の競争は激しさを増している。
そうした中で調査会社Gartnerは2026年7月16日(米国時間)、AI半導体分野の「Companies to Beat」(分野をリードする本命企業)を発表した。AI活用を支える基盤が今どのような技術で進化しているのかを知る上でも、各領域で存在感を高めているベンダーの動向は押さえておきたい。
GPUから光接続まで、AI基盤の「本命5社」
Gartnerは40以上のカテゴリーにおいて、AI半導体市場をけん引するベンダーを選定。それぞれの強みや弱みについて分析している。同社はCompanies to Beatの選定では、「技術力」「顧客における実装」「潜在的な顧客基盤」「ビジネスモデル」「主要なパートナーシップ」「それらを取り巻く広範なエコシステム」の6つを主要な評価基準としている。
Gartnerは、AI半導体の主要5分野について、それぞれの市場をけん引する企業を以下のように選出している。
AIネットワークファブリック:NVIDIA
NVIDIAは、GPUなどAIアクセラレーター市場での優位性を確保しているだけでなく、データセンター向けネットワークの分野でも幅広く製品を展開している。「SHARP」「SHIELD」「NVHS(NVIDIA High Speed)」「NVLink」といった独自技術や機能によって性能や信頼性を高め、AIクラスタ向けのスケールアウト、スケールアップの両方のネットワークで優位な地位を築いているとGartnerは評価。
だが、AI需要がトレーニングから推論やエージェント型のユースケースへと移ることで、AI半導体市場の勢力図が大きく変わる可能性もある。Gartnerによると、NVIDIAの製品や市場投入(GTM)戦略と主流の企業向け市場との間には隔たりがあり、大口顧客はオープンなイーサネットベースの仕組みへと移行しつつあるという。
エンタープライズAIサーバ向けCPU:AMD
Advanced Micro Devices(AMD)は、エージェント型AIのオーケストレーションへの適性や、I/O帯域幅、サーバ統合能力などが評価され、エンタープライズAIサーバ向けCPUの最有力企業に選ばれた。製品ロードマップを着実に実行していることや、幅広いエコシステムからのサポートも強みだ。
だが、市場では競争が激しくなっている。AMDにとっては、競合他社がハードウェアとソフトウェアを統合した製品群を展開していることや、特定のソフトウェア環境への囲い込みが進んでいること、ArmベースCPUが電力効率で優位にあることなどが課題になるとGartnerは指摘している。
カスタムAIシリコン:Broadcom
Broadcomは、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)の設計やネットワーキング、半導体IPなどの技術力が評価され、カスタムAIシリコンの最有力企業に選ばれた。
Gartnerは、先端プロセスや先進的なパッケージング、SerDes(Serializer/Deserializer)、メモリ、チップ間接続などの技術を組み合わせ、カスタムAIアクセラレーターを設計できる点をBroadcomの強みとして挙げている。一方、競合他社についても、半導体IPの拡充や柔軟な協業モデルの提供、システムレベルの設計支援などによって、Broadcomとの差を縮める余地があるとみている。
先端プロセスノード、先端パッケージング、SerDes、メモリ、ダイ間インターコネクトを活用し、基盤IP(Intellectual Property)とカスタムAIアクセラレーター設計で先頭を走っている。競合他社は、IPポートフォリオを改善し、柔軟な協業形態を提供し、システムレベル設計を支援すれば、差を縮められるというのがGartnerの見方だ。
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