「風水害は重大リスク」と8割が認識、一方「出社・帰宅の判断基準が未完成」6割 対策が進まない理由は:立地で認識割合が異なる?(1/2 ページ)
JX通信社が企業のBCP担当者を対象とした台風・風水害に関する調査結果を発表した。8割超が風水害を重大なリスクと認識する一方、出社や帰宅の判断基準を完全に策定している企業は約4割にとどまることが分かった。
報道ベンチャーのJX通信社は2026年8月18日、国内企業の事業継続計画(BCP)担当者を対象とした「台風・風水害に対する企業の防災意識と対策に関する調査」の結果を発表した。
調査結果によると、台風や風水害を事業継続上の「重大なリスク」と認識している企業は8割を超えるが、BCP対応の基本となる出社や帰宅の判断基準を「完全に策定済み」と回答した企業は約4割にとどまることが明らかになった。対策が進まない原因はどこにあるのか。
「出社・帰宅の判断基準がない」現状 立地で認識割合が異なる?
企業の事業継続において、台風や風水害への危機感は立地を問わず高まっている。
拠点の立地環境別にリスク認識を尋ねたところ、浸水想定区域など水害リスクの高い立地に拠点がある企業では93.9%が台風・風水害を「重大なリスク」と評価した。さらに、内陸や高台など「その他の地域」に拠点を持つ企業でも72.7%が同様に重大なリスクと認識しており、全体では83.1%に達した。台風や豪雨の激甚化を背景に、水害リスクが河川沿いや低地といった特定の地域に限らず、企業共通の経営課題として定着している状況が示されている。
しかし、リスク認識の高さで実際の備えには遅れが見られる。水害リスクの高い立地に拠点を置く企業でも、災害発生時の意思決定基準を定めている割合は56.1%と6割に満たなかった。被害に遭う可能性が高い地域でも、具体的な行動基準の策定やBCP運用体制の構築には依然として課題が残されているという。
意思決定基準の重要性認識と策定状況にギャップ
意思決定基準についての意識と策定状況を比較すると、意識と実態の間に大きな乖離(かいり)があることが判明した。
自社独自の意思決定基準を持つことについて、「重要」「非常に重要」と回答した企業は87.4%に達した。しかし、基準を「完全に策定済み」と回答した企業は47.0%にとどまった。
初動対応として重要度の高い「前日までの出社・帰宅抑制の判断基準」に焦点を当てると、その重要性を認識している割合が80.9%なのに対し、「完全に策定済み」と答えた企業は41.1%にとどまり、約40ポイントのギャップが生じている。
ただし、「一部策定済み」と回答した層を含めると、何らかの基準を設けている企業は全体の7〜8割に上る。多くの企業で対策が全く未着手なわけではなく、近年の突発的な気象事象に対応できる「完成した運用」に至っていないことが、策定率の低さにつながっているという。
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