「風水害は重大リスク」と8割が認識、一方「出社・帰宅の判断基準が未完成」6割 対策が進まない理由は:立地で認識割合が異なる?(2/2 ページ)
JX通信社が企業のBCP担当者を対象とした台風・風水害に関する調査結果を発表した。8割超が風水害を重大なリスクと認識する一方、出社や帰宅の判断基準を完全に策定している企業は約4割にとどまることが分かった。
今後の対策で外部に期待する支援内容は? 対策が進まない理由は?
今後の対策で外部に期待する支援としては、以下の項目が上位に挙がった。
- 線状降水帯などの突発的な豪雨についての高精度な予測情報:43.9%
- “空振りを恐れない”ためのBCP判断基準の策定支援:42.5%
- 局所的な冠水・道路寸断などをリアルタイムで把握できる情報:38.8%
対策が進まない理由は「突発的な豪雨の予測の難しさ」(38.6%)が最多となった。JX通信社は「予測しづらい事象をいかに早く把握し、“空振り”を過度に恐れずに動ける判断基準を用意しておけるかどうかが、対策前進の分岐点になる」としている。
地盤防災の専門家「情報の収集から行動のルール化への転換が必要」
地質/地盤調査や防災/減災コンサルティングを手掛ける企業、応用地質は今回の調査結果から情報収集にとどまらない「行動のルール化」の重要性を指摘。「企業では台風・風水害を重大な経営リスクとして理解している中で、現場では『どのタイミングで動くべきか』という課題に直面している」と分析する。
その上で、今後の対策について次のように提言した。
「重要になるのは、気象情報そのものを増やすだけでなく、その情報を企業の行動に結び付ける仕組みづくり。例えば、『○○水位観測地点で警戒水位を超えた場合は、止水対策の実施準備を行う』『24時間の予測降水量が○mm以上の場合は出社抑制を判断する』といった具体的なトリガーを事前に決めておくことで、迷いのない初動対応が可能になる」
そのためには、各事業所の風水害リスクを事前に調査し、その結果に基づいて初動対応方針を決めておく必要がある。「企業の風水害対策では、空振りを恐れるのではなく、被災してから後悔しないために、あらかじめ検討、策定した初動対応方針に基づいて、先手の対応が求められる」(応用地質)
なお今回の調査は、国内企業でBCP関連業務担当者を対象に2026年7月18〜20日に実施。508件の有効回答を得ている。
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