AI内製化、9割超が「停滞、頓挫」を経験 つまずく原因は“技術”ではなかった:AI/DX推進責任者の7割が「後れを取ることに危機感」
TWOSTONE&Sonsが、企業のAI内製化に関する実態調査の結果を公表。AI内製化の推進責任者の9割以上が競合との差に危機感を抱き、社内主導プロジェクトの停滞や頓挫を経験している実態が明らかとなった。
TWOSTONE&Sonsは2026年8月31日、従業員300人以上の企業において全社的にAIやDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に取り組む経営層およびAI/DX推進責任者111人を対象に実施した「企業のAI内製化に関する『限界』の実態調査」の結果を公表した。
同調査の結果によると、自社のAI活用への対応について、競合他社や業界全体の動きと比べた際に危機感が「かなりある」と答えた割合は35.1%、「ややある」と答えた割合は59.5%となったという。
危機感を抱く層105人に対してさらにその内容を尋ねたところ、「競合他社にAI活用で後れを取ること」が69.5%、「業界全体の変化に自社が対応できないこと」が62.9%、「AI人材、デジタル人材を確保できないこと」が61.9%という結果となった。
9割超が社内主導プロジェクトで停滞や頓挫を経験
AI活用やAIプロジェクトの進捗(しんちょく)状況について尋ねた設問では、「全社的に活用、運用している段階」との回答が24.3%、「複数部署/業務に展開している段階」が22.5%を占めた。
社内主導で進めたAIプロジェクトが、期待した成果や規模に至らず途中で停滞または頓挫した経験については、「数回ある」が55.9%、「何度もある」も31.5%に上った。
プロジェクトにおいて特に足踏みや行き詰まりを感じやすい段階について尋ねた設問では、「AI活用の目的やテーマを決める段階」が57.7%で最多を占めた。
プロジェクトを進める前には十分に認識できていなかったものの、実際には重要だったと感じた事柄を尋ねたところ、「AI活用の戦略・構想の設計」を挙げる回答が58.6%と最多を占め、これに「実装・開発を担う人材の確保」(45.9%)、「戦略・構想を実装計画に落とし込むこと」(43.2%)、「AIを活用する経営課題・業務課題の特定」(40.5%)が続いている。
停滞の背景に「課題をAI活用につなげる力」の不足が
プロジェクトの停滞や頓挫を経験した102人に対し、その背景として自社で不足していたものについて尋ねたところ、「経営課題、業務課題をAI活用につなげる力」が58.8%で最多となり、「AIの実装、開発を担える人材」が50.0%、「戦略や構想を実装に落とし込む設計力」と「プロジェクトを推進、管理するPM/PMO人材」がそれぞれ49.0%で続いた。一方、「AIツール/システムなどの技術基盤」との回答は18.6%にとどまっている。
プロジェクトの停滞や頓挫によって生じた事象については、「プロジェクトや投資が縮小、凍結された」が56.9%、「本格導入や全社展開の時期が遅れた」が55.9%、「現場でAI活用への不信感や抵抗感が高まった」が53.9%となった。
自社人材のみでの対応が難しい領域は「構想設計」
AIプロジェクトを進める上で、自社の人材や体制だけでは対応が難しい領域については、「AI戦略/活用構想の設計」が58.6%、「AIツール/技術の選定」が54.1%、「AIの実装、開発」が47.7%となった。
自社のみでの対応が難しい理由としては、「経営・事業・業務とAI技術の両方を理解できる人材がいないから」(53.6%)との回答が最も多く、これに「複数部門を横断して推進、調整する体制がないから」(45.5%)、「AI技術や市場環境の変化が速く、社内だけでは追随しにくいから」(43.6%)が続いている。
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