Viper 2で学ぶXMLデータベース最新事情(4)
“XML DBのプロ”を認定する資格試験に挑戦だ!
日本アイ・ビー・エム
中林 紀彦
2008/2/15
最新のXMLデータベース実装となるViper 2(DB2 9.5)のリリースを機に、全4回の連載記事であらためてXMLデータベースの利点を考えてみる。そこで見えてきたものとは?(編集部)
さて、本連載もとうとう最終回です。今回は2007年12月に始まったばかりの「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」を取り上げて、試験の内容、学習方法・学習教材、さらに実際の受験体験などを紹介していきます。また読者の皆さんには特別に、セクション別の傾向と対策を最後にまとめましたので、参考にしてください。
■XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)とは
XMLデータベースを使ったCGMサイト(前回参照)の構築を経験したKさんは、すっかりXML DBの魅力にはまってしまい、その後も機会があるたびにXML DBを採用していきました。XML DBはCGMなどのWebサービスに非常に向いているのをあらためて感じました。
サービスを企画したWebプロデューサーから、Kさん率いるシステム・インフラ構築チームに対して、構築のスピードとサービス内容の変更に対する柔軟性(第1回参照)を評価されました。また、さまざまなWeb APIを簡単にマッシュアップできるなど、Web 2.0系サービスとの親和性(第2回参照)もあり、XML DBは今後のビジネスに欠かせないと評価されるに至りました。
そこでKさんは、XMLやXML DBに関してさらに深い知識を身に付けたいと考えるようになりました。そんな折、KさんはXMLマスターの上位資格となるXMLマスター:プロフェッショナル(データベース)ができたことを知りました。特定ベンダの資格ではなく中立的な資格であり、今後のKさんのキャリア・アップにも役立つだろうと考えて、この資格の受験を決めました。
XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)とは、XML技術者育成推進委員会という中立組織が企画・運営する技術者認定制度の資格の1つで、2007年12月から開始されました。資格の紹介ページには、
XMLデータをRDB、またはXMLネイティブデータベースに格納、管理、操作が行えるプロフェッショナルを認定します
http://www.xmlmaster.org/certification.html
とあるように、「XMLマスター:プロフェッショナル(アプリケーション開発)」と並ぶ、“XMLのプロフェッショナル”が持つ資格です。
図1 XMLマスター試験の構成 XMLマスターは「XMLマスター:ベーシック」と「XMLマスター:プロフェッショナル」の2段階のレベルの資格で構成され、プロフェッショナルは「アプリケーション開発」と「データベース」に分かれます。(図はxmlmaster.orgのWebページより転載) |
試験の概要や出題範囲などは以下のページで紹介されています。
試験時間は90分で出題数は30問程度、合格ラインは80%以上の正解が必要で、ほかの資格試験と比べて合格基準が高くなっています。実際の認定試験はXML技術者育成推進委員会 運営事務局の委託を受け、プロメトリック株式会社が提供しています。ほかの資格試験でプロメトリック社の試験を受験された方はご存じだと思いますが、コンピュータを使った試験で受験後すぐにその場で結果が分かります。また、全国に約100カ所の受験センターがあるので、受験日や時間帯が自由に選択できるのは忙しいエンジニアにとって非常に便利です。
- プロメトリック株式会社
電話: 0120-387-737
URL: http://it.prometric-jp.com/testlist/xml/index.html
気になる出題内容ですが、4つのセクションに分かれています(表1)。
XMLデータのDB化に 関する概要 |
・XMLデータをDB化する際の方式 ・XMLDBの特徴/リレーショナルフォーマットとの違い/ファイルシステムにXMLデータを格納することとの違い ・XMLDBに関連するW3C仕様の概要 |
XQuery、XPath式 | ・XQuery1.0の基本構文 ・XPath2.0の基本構文 |
XMLDBの操作 | ・XMLDB操作時の考慮点 文字エンコーディング/空白文字/混合内容/特殊文字を含むXMLデータの扱い/データの完全な再現性/デフォルト値の扱い/DTDのID型/スキーマによる妥当性チェックの際の考慮点 ・XQueryインジェクション |
XMLデータ構造の 設計 |
・XMLDBのサイジング ・XMLデータ設計上の考慮点/パフォーマンスを考慮した設計/名前空間の設計 ・スキーマ変更に関する考慮点/インデックス作成時の考慮点/制約の作成 ・XMLデータをRDBにマッピングする際のテーブル設計 ・RDBのリレーショナルフォーマットをXMLデータで取り出す際のXMLデータ設計 ・利用可能なセキュリティ方式ごとの特徴、使い分け XML固有のセキュリティ/DBMS側のセキュリティ/インターネットセキュリティ |
表1 XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)の出題範囲 ※http://www.xmlmaster.org/range.html#ProDBより転載 |
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Index | |
連載:Viper 2で学ぶXMLデータベース最新事情(4) “XML DBのプロ”を認定する資格試験に挑戦だ! |
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Page 1 ・XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)とは |
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Page 2 ・試験に向けての勉強方法は? ・いざ受験! 90分の試験時間は思ったよりも短い |
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Page 3 ・結果は…… ・再受験(試験の傾向と対策) |
Viper 2で学ぶXMLデータベース最新事情 |
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