PL/SQLでカーソルを使う(基本編)超入門「PL/SQL」(6)(1/3 ページ)

本連載は、「PL/SQL(Procedure Language/Structured Query Language)」を理解し、活用していくための実践講座です。今回から「カーソル」について2回に分けて解説します。

» 2018年11月19日 05時00分 公開
[小笠原宏幸@IT]

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 本連載は、Oracle Database向けにデータベース言語 SQL(Structured Query Language)を拡張したプログラミング言語である「PL/SQL(Procedure Language/Structured Query Language)」を理解し、活用するための実践講座です。SQLは知っているけれど、OracleでのPL/SQLは初めてという人向けに、機能の概要と具体的な書き方を解説します。

 PL/SQLはOracleが開発したプログラミング言語であるため、Oracle Databaseに格納されているデータを効率的に処理できるという利点があります。SELECT文によって取得した行データをPL/SQLの変数に代入して処理したい場合、「カーソル」機能を使用します。カーソルを使用するには一連の指定が必要になるため、基礎編と応用編の2回に分けて解説します。カーソルはPL/SQLの中でも非常に重要な機能です。しっかり押さえておきましょう。

カーソル処理の概要

 カーソルを使用すると、Oracle Databaseの表から取り出した複数行を処理できます。取り出す行数が1行、または0行の場合でも問題ありません。

 では初めに、カーソル処理の内部的な流れを以下の図で解説します。まず、任意のデータを取り出すSELECT文をカーソルに対応付けます(図1)。

図1 カーソルの定義

 カーソルに対応付けたSELECT文をオープン(実行)すると、検索結果がメモリ上に保持されます(図2)。これを「結果セット」と言います。

図2 カーソルのオープン

 結果セットの1行目を取り出し、用意しておいた変数に代入します(図3)。

図3 変数への代入

 LOOP文を用い、2行目から最終行まで図3と同様に取り出して変数に代入する処理を繰り返します(図4)。

図4 LOOP文と変数への代入

 このように、カーソルに対応付けたSELECT文を実行して結果セットを識別した後、結果セットから1行を取り出し変数に代入します。その後、LOOP文を併用して変数に代入する処理を繰り返し、最終的に結果セットの全ての行を変数に代入する、という流れとなります。

 では、このような処理を行うための記述方法を次に解説します。

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