[運用] Amazon EC2/S3で作るWindows公開サーバ(前編) デジタルアドバンテージ 島田 広道2009/11/25 |
従来の企業ITシステムでは、サーバなどのリソースを社内に設置することが一般的だった。しかし近年、コストや拡張性などの点でその意義が問われている。コスト面では、社内設置の場合は最初に設備投資が必要であり、その後も管理・運用のためのコスト(人件費や電力など)が掛かる。
重要なことは、こうして作られたシステムの全能力が常に利用され続けることはなく、一時的な負荷集中や将来の規模拡大に備えて、性能上はある程度の余裕を持たせて運用される点だ。投資した(している)コストのうち、この余裕の分は無駄といえなくもない。
拡張時のスピードも問題視されている。サーバ・マシンの要件を決定して発注し、社内に設置するまでの時間が意外にかかるからだ。それだけ、新しいサービスを展開したりするのが遅れることになる。
こうした状況で注目を集めているのが「クラウド・コンピューティング」だ。必要なときに必要なリソースをすぐに利用できるという特長を持つクラウド・コンピューティングは、上記のような社内設置サーバの欠点を解消できる可能性がある。
ならば実際にサービスを試用してみたいところだが、Windows Server対応のクラウド・サービスはそれほど多くはないのが現状だ。その中でもAmazon Web Services(以下AWS)が手掛ける「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」は、Windows Serverの仮想マシンが利用できる老舗のクラウド・サービスであり、New York Timesやtwitter、Second Life、NASDAQといった著名なサイト/サービスでの採用も多い。
New York TimesのTimesMachine |
1851年〜1922の記事紙面をイメージ画像で提供している。ストレージとしてAmazon S3が、また画像表示などにAmazon EC2が利用されているとのことだ。 |
そこで本稿では、Amazon EC2/S3でWindows ServerによるWebサーバを実際に構築し、どのようにして使うのか、どのくらいの自由度があるのか、どの程度の料金が掛かるのか、といったことを調べてみる。読者がクラウド・コンピューティングに注目されているなら、その一例として本稿を参考にしていただきたい。
INDEX | ||
[運用]Amazon EC2/S3で作るWindows公開サーバ(前編) | ||
1.Amazon EC2/S3の概要 | ||
2.AWSとの契約とEC2/S3利用申し込み | ||
3.アクセス・キーと秘密鍵/公開鍵ペアの取得 | ||
4.インスタンスの起動とWindowsへの接続 | ||
[運用]Amazon EC2/S3で作るWindows公開サーバ(後編) | ||
1.Windowsの日本語化とWebサイト公開 | ||
2.OSイメージ保存とインスタンス終了、固定IPアドレス割り当て | ||
「 運用 」 |
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