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Hyper-Vのスナップショット履歴ツリーを管理する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2008/10/17
対象OS
Windows Server 2008 Hyper-V
スナップショットはツリー状に作成、管理できる。
不要になったスナップショットは、削除すればよい。

解説

 TIPS「Hyper-Vのスナップショットを復元ディスクとして使う」「Hyper-Vのスナップショット履歴を管理する(基本編)」では、Hyper-Vの「スナップショット」機能の簡単な使い方を紹介した。スナップショットとは、実行中の仮想マシンの「状態(ディスクの状態だけでなく、仮想マシンのメモリやデバイス、レジスタなどのすべてのステータス)」を保存しておき、後で再開できるようにするためのものである。Virtual PCやVirtual Severにおける復元ディスクと状態の保存機能の両方を合わせたものに相当する。

操作方法

スナップショットの履歴

 TIPS「Hyper-Vのスナップショット履歴を管理する(基本編)」では、スナップショットの履歴列を作成しておき、「適用」操作を行うと任意の時点に戻ることができるという機能について紹介した。例えば、次の画面は、作成したスナップショット履歴のうち、「■4.IISインストール直後」と名付けたスナップショットの状態に戻したところである。この状態で仮想マシンを起動すると、IISをインストールした直後の状態に戻るはずである。

スナップショット履歴の途中の時点に戻したところ
インストールや実行の各段階でスナップショットを作成しておくと、任意の時点に戻って再開できる。なおスナップショット名は依存関係が分かりやすいように「■1.〜」「■2.〜」などと名付けている。
仮想マシン名を選択すると、「スナップショット」ペインにスナップショットの履歴が表示される。
これを右クリックして、ポップアップ・メニューから[適用]を選択すると、この時点に戻る。スナップショットに保存された状態データを、仮想マシンの状態データに上書きするので、(「戻す」や「進める」などではなく)「適用」と呼んでいる。
これが現在実行可能な仮想マシンを表す。このマークの付いたものが実行されている。
「■4.〜」に戻す直前に保存したスナップショット。これを適用すれば、最新の状態から再開できる。

ツリー状に構築できるスナップショット履歴

 スナップショットの履歴は、階段状に表示されているが、これは依存関係を表している。上の例で言えば、「■1.〜」を作成後、何らかの作業をしてから(時間が進んでから)「■2.〜」を作成したため、「■2.〜」は「■1.〜」の下に表示されている。同様に以下「■3.〜」「■4.〜」……、と並んでいる。

 ここでさらにスナップショットを作成すると、次のように、枝分かれした状態のスナップショット・ツリーができあがる。

枝分かれしたスナップショット・ツリー
\ 先ほどの状態でさらにスナップショットを作成すると、スナップショットの履歴が枝分かれし、ツリー状になる。
新しく作成したスナップショット。
ここが現在実行中の仮想マシン状態になる。

 この例では、IISを導入した直後のスナップショット(「■4.〜」)を基に、別のWebサイトを導入してみたので、「■4−1.Webサイト」と名付けてみた。

 このようにスナップショットの履歴は、履歴の途中で(末端以外で)スナップショットを作成すれば、枝分かれしながらいくらでも増やすことができる。例えば次のようになる。

ツリー状に構築されたスナップショット履歴
履歴の途中で新たにスナップショットを作成すると、そこから枝分かれしたツリー状の履歴ができる。

スナップショットの削除

 増えすぎたスナップショットは削除して整理できる。このためには、スナップショット名を選んで、ポップアップ・メニューから[スナップショットの削除]か[スナップショットのサブツリーを削除]を選択する。

スナップショットの削除
特定のスナップショットを選択して削除できる。
削除対象のスナップショットを選択する。
これを選ぶと、このスナップショットだけが消える。
これを選ぶと、このスナップショットとその子がすべて消える。

 [スナップショットの削除]を選択すると、単にそのスナップショットだけが消え、前後のものはそのまま残る。[スナップショットのサブツリーを削除]を選択すると、その項目のほか、その下にあるものもすべて削除される。

 次の画面は、上の例で「■8.〜」を削除したところだ。1項目だけ消えていることが分かるだろう。

スナップショットの削除の結果
特定の1つのスナップショット削除した後の状態。
削除されたスナップショット。

 この画面からさらに「■6.〜」を削除すると、その子ノードである「■7.〜」と「テスト5」は、その上位の「■5.〜」の子ノードとなる。

子ノードを持つスナップショットの削除の結果
子ノードを持つスナップショットを削除すると、その下にあるノードなどは、削除されたスナップショットのあった場所へ移動する。

 この状態からさらに「■5.〜」を選んで、今度は[スナップショットのサブツリーを削除]を選択すると、[■5.〜]以下はすべて消える。

スナップショット・ツリーの削除
スナップショットのツリーをまとめて削除できる。
削除されたツリーの中にあった[今すぐ実行]はこの場所へ移動する。

 ただしこの例では、削除したツリーの中に[今すぐ実行]があったが、それは「■4.〜」の下に移動している。スナップショットが消えても、現在実行中の仮想マシンの状態は変わらないので(「■4.〜」の子であるという関係は変わらないので)、このようになっている。

 なおスナップショットは、あくまでも動作中の仮想マシンの、ある特定の瞬間を保存しておき、後でその時点から再実行させるためのものである。大きく変わる環境を切り替えて使う用途には向かない。例えば、エンドユーザー向けアプリケーションをインストールしたスナップショット、開発環境をインストールしたスナップショット、テスト環境をインストールしたスナップショット、などを切り替えて使うといったケースである。このような用途では、別々の仮想マシン環境を用意して対応する方が柔軟に運用できる(スナップショットでも対応できないわけではないが、別仮想マシンならリソースさえあれば同時に実行できるし、管理も容易だ)。少なくともOSやService Pack、インストールする主要アプリケーションなどが変わるようなならば、別の仮想マシンや仮想ディスクにするのがよいだろう。End of Article

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