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sconfigコマンドでServer Coreインストールの初期設定を行う

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2012/06/22
対象OS
Windows Server 2008 R2 Server Core
Hyper-V Server 2008
Hyper-V Server 2008 R2
Summary
Server Coreインストールしたサーバの初期設定作業にはsconfigコマンドが利用できる。
sconfigはフルインストールのサーバOSでは利用できない。
sconfigでリモート管理を有効にしておくと、リモートからGUIの管理ツールで管理できるようになる。

解説

連載 Windows Server 2008の基礎知識 第13回「より安全性の高いサーバ構築を可能にするServer Core」

 Windows Server 2008以降のServer OSでは、GUI画面で操作/管理できる「フル インストール」という形態のほかに、「Server Core」というシンプルなインスト−ル形態も選択できる。Server Coreインストールでは、余計な管理ツールやGUIインターフェイスなどがすべて省かれ、軽量で堅牢な(脆弱性の影響を受けるようなコンポーネントがフルインストールより少ない)Server OSシステムを構築できる。だが従来のGUIベースの管理ツールなども利用できなくなるので、コマンド・プロンプト上での操作が必要となる。具体的なコマンドについては関連記事を参照していただきたいが、例えばサーバ導入直後の初期設定作業などをすべてコマンド・プロンプトで漏れなく行うのは容易ではない。

  操作方法

 Server Coreインストールしたシステムで初期設定作業を行うには、「sconfig」というコマンドを利用する(このコマンドの実体はsconfig.cmdというバッチ・ファイルであり、ここから言語別のsconfig.vbsスクリプトを起動するようになっている)。このコマンドはWindows Server 2008 R2で最初に導入され、現在では以下の環境で利用できる。

  • Windows Server 2008 R2のServer Coreインストール(フルインストールでは利用不可)
  • Hyper-V Server 2008 R2
  • Hyper-V Server 2008(sconfigではなく、前身のhvconfigが利用可能)
  • Windows Server 2012(予定。※原稿執筆時点で入手可能な「Windows Server 2012 RC版」では、Server Coreインストールだけでなく、フルインストールでもsconfigが利用可能

 Hyper-V Server 2008(Hyper-V Server 2008 R2の前バージョン)ではhvconfig.cmdという名前のコマンドが用意されていたが(TIPS「Hyper-V Server 2008を利用する」参照)、これをベースに新しいOSでも利用可能にしたのがsconfigコマンドである。

 Server Coreインストールしたシステムにログオンすると、通常はコマンド・プロンプトが1つ開いているだけの画面が表示される。そこでsconfigコマンドを起動すると、次のような「サーバー構成」画面が表示される(以下、Windows Server 2008 R2 Enterprise EditionのServer Coreインストールでの実行例を示す)。

sconfigコマンドの起動画面
sconfigは、コマンド・プロンプト上で利用可能なサーバの初期設定ツール。基本的には番号順に設定を進めていくだけで、初期設定が完了する。
コンピュータ名を変更後、必要なら「1」でドメインへ参加する。
ローカルの管理者(ローカルのAdministratorsグループに新しいユーザー)を追加する。
リモートから管理ツールで操作できるようにする。
自動更新や更新プログラムの設定。
リモート・デスクトップの有効化と必要なポートの解放。
ネットワーク・インターフェイスや日付などの設定。

 sconfigは主に、サーバのインストール直後の初期設定を行うために使うコマンドである。基本的には、1から順にこれらのコマンドを実行していけばよい。コマンドを実行するには、「1」や「2」などの数字と、必要なら文字列などを入力するだけでサーバの初期設定が完了する。例えば「2」を指定すると、コンピュータ名の変更ができる。

コマンドの使用例(1)――サーバ名の変更
デフォルトではサーバ名は自動的に付けられているので、これで名前を変更する。
「2」を入力する。デフォルトではサーバ名は自動的に付けられているので、これで名前を変更する。
新しい名前を入力する。
再起動を促すダイアログが表示されるので、「はい」をクリックして、いったんシステムを再起動する。

 コマンドによってはこのように、GUIの確認表示などが表示されることがあるが(例えば「9」の日付/時刻変更を選択すると、コントロール・パネルの「日付と時刻」画面がポップアップ表示される)、基本的にはキー入力だけで操作できる。

 それぞれのコマンドの意味は特に解説するまでもなく明らかだろう。基本的には、最初にコンピュータの名前やドメインに参加するかどうかなどを設定後(必要なら再起動する)、リモート管理(メニューの「4」番)やリモート・デスクトップ接続を有効にしたり(メニューの「7」番)、Windows Updateの設定(メニューの「5」「6」番)を行ったりするだけである。

コマンドの使用例(2)――リモート・デスクトップ接続の許可
デフォルトではリモート・デスクトップ接続は禁止されているので、それを許可する。これを実行するとリモート・デスクトップ・サービスが起動し、さらに必要なファイアウォールのポートも自動的に許可される。もっともリモートからServer Coreインストールにログオンしても、コマンド・プロンプトが1つ表示されるだけで、GUI管理ツールが使えるようになるわけではない。
リモート・デスクトップの許可。
有効にするには「e」を指定。
セキュリティ・レベルの指定。ここでは任意のクライアントからの接続を許可してみる。
確認ダイアログ。

 リモートから管理ツールでServer Coreに接続して使いたければ、「4」の「リモート管理の構成」を有効にすること。「リモート管理の構成」メニューにはいくつかサブコマンドがあるが、リモートから管理するなら「MMC リモート管理を許可する」「サーバー マネージャーのリモート管理を許可する」の2つを許可しておく。「Windows PowerShell を有効にする」を許可すると、もちろんPowerShellによるリモート管理ができるようになるが、.NET Frameworkランタイムがインストールされる点は憶えておきたい(.NET Framework用の更新プログラムが適用されるようになるため、Windows Updateにかかる時間/負荷などが増える)。

sconfig以後の操作

 sconfigでリモート管理やリモート・デスクトップ接続を許可しておくと、以後はリモート管理ツールなどを使って、ほかのコンピュータから従来のGUIベースの管理ツール(RSATツール)を使って管理できるので便利である。RSATツールについてはTIPS「RSATツールでWindows Server 2008をリモート管理する」を参照のこと。ただしServer Coreインストールに対してリモート・デスクトップ接続しても、コンソールに直接ログオンした場合と同様に、コマンド・プロンプトが1つ表示されるだけである。以後の操作はすべてコマンド・プロンプト上で行う必要がある。コマンド・プロンプト上でOSのコンポーネントを管理する方法については、TIPS「Windows 7/Windows Server 2008 R2のコンポーネントをdismコマンドで管理する」「Windows Server 2008 Server Coreのコンポーネントを追加する」を参照していただきたい。End of Article

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