以下は、Windows XPベータ2 日本語版に付属する機能ガイドより、Windows XPの新機能をまとめたものである。このベータ2に続き、2001年7月2日に英語版のRC1がリリースされた。ベータ2に対し、このRC1で追加された新機能については、「Windows XP RC1で追加された新機能」のページを参照されたい。
No. |
新機能/改良された機能 |
内容 |
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プロダクト・アクティベーション(ライセンス認証) |
ソフトウェアの不正コピーを防止する技術。プロダクトIDとハードウェアID(自動生成される)をマイクロソフトの認証センターに送付し、インストールIDを取得することで、ソフトウェアを有効化(アクティベート)する。いったんアクティベートされたプロダクトIDは、異なるハードウェアID(つまり異なるハードウェア)と組み合わせて再アクティベートすることはできない(→詳細記事はこちら) |
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ディスク・デフラグ・ツールの機能強化 |
ディスク・デフラグ・ツールの機能が拡張され、コマンド・ラインからも利用可能になった。スクリプトを組み合わせることで、従来は不可能だったデフラグメント処理のスケジュール実行が可能になる |
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アプリケーションの互換性強化 |
アプリケーションによるOSバージョンの認識間違い、解放されたメモリ領域への参照などのアプリケーション固有の問題点を解決するAppFixes機能を追加。AppFixesは、アプリケーションの非互換問題などに関するデータベースを使用する。このデータベースは、自動アップデート機能によって常に最新に保たれる。またアプリケーションのプロパティ設定により、特定OSバージョンの互換モードでそのアプリケーションを実行するようにできる |
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「応答なし」になったアプリケーションの操作 |
アプリケーションが「応答なし」の状態に陥った場合でも、そのアプリケーション・ウィンドウの移動、サイズ変更、最小化、クローズなどを実行できるようにした。これにより、問題を起こしたアプリケーションをじゃまにならないところに移動して応答を待ったり、強制終了したりすることが容易になった |
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オフライン・ファイル・データベースの暗号化 |
従来のWindows 2000では不可能だったオフライン・ファイルの暗号化を可能にした |
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「開く」ダイアログでのデジタル・スチル・カメラ、スキャナ・サポート |
「開く」ダイアログがデジタル・スチル・カメラやイメージ・スキャナなどのWIAデバイス対応となった。これにより、WIAに直接対応していないアプリケーションでも、「開く」ダイアログを利用していれば、デジタル・スチル・カメラやスキャナなどから直接データを読み込むことが可能になった |
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IME Ver.8 |
ユーザー辞書をネットワーク先に配置し、クライアントからの読み書きを可能にした(Windows 2000では読み出しのみのサポート) |
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IME(韓国語向け) |
ハングル文字、Hanjaの手書き入力サポートなどを追加 |
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MSPY 3.0 IME(中国語・簡体字) |
Windows 2000に付属するMSPY2.0 IMEから使い勝手や性能を向上させたMSPY3.0 IMEを搭載 |
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新しいPhonetic IME(中国語・繁体字) |
繁体字対応の中国語キーボードから、より正確で素早い入力を可能にする。手書き認識機能を追加 |
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自動プロキシ設定用ファイルの作成 |
ノートPCを自宅のネットワーク(プロキシなし)と会社のネットワーク(プロキシあり)の双方に接続する場合でも、適切なプロキシ設定を自動的に行えるようにする接続マネージャ用プロファイルを作成する(Serverのみ) |
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× |
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接続マネージャのログ記録 |
接続マネージャ用プロファイルを使用してクライアントがネットワークに接続するとき、設定処理の内容をログとして残せるようにする。これにより、迅速かつ正確なトラブル・シューティングが可能になる(Serverのみ) |
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接続マネージャでのVPNサーバ選択 |
複数のVPNサーバが存在する環境で、接続マネージャ・プロファイルを使用するとき、ユーザーが接続するVPNサーバを選択可能にする(Severのみ) |
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CGIの非同期実行(IIS) |
IISでのCGI実行において、CGIを実行するスレッドを非同期に実行可能にした。従来のIIS 5では、CGIプロセスの処理完了まで、対応するスレッドはブロックされていた(Serverのみ) |
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× |
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完全に分離された環境でのアプリケーション実行(IIS) |
IIS 6では、アプリケーションの全コードをそれぞれ独立した環境で実行可能にする「dedicated application mode」をサポート。これにより、Webサーバの信頼性を向上させ、メンテナンスやトラブル・シュートを容易にする(Serverのみ) |
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× |
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プロセスのオンデマンド実行(IIS) |
Web Administration Service(WAS)の機能により、アプリケーションのプロセスをプールしておき、必要に応じて(そのプロセスに関連するURLがアクセスされたときなど)プロセスを実行する(Serverのみ) |
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× |
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バンド幅制限機能の改善(IIS) |
OSが持つ機能を使ってIISの帯域幅制限を実現する。これによりIPアドレスやポート番号が同じでも、ホストヘッダによって複数のサイトを実現している場合に、それぞれのサイトに個別に帯域幅制御を行い、さらに各サイトに同時にレスポンスを返すことができる(IIS5.0ではシリアライズされる)(Serverのみ) |
× |
× |
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93 |
カーネル・モード・キューイング(IIS) |
カーネルモードでHTTP要求を受け付け、それをW3SVCサービスのキューへ渡すプロセスの導入により、IISのユーザモード・コードがクラッシュしても、その影響を受けることなくユーザー要求を受け続けることができる。またパフォーマンスも改善される(Serverのみ) |
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× |
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ネットワーク・ブリッジ機能 |
Windows XPをネットワーク・ブリッジとして機能させ、無線接続やダイヤルアップ接続、イーサネット接続など、異なるインターフェイスによって構成される異なるネットワーク・セグメント同士を接続し、相互に通信可能にする |
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RASクライアントのTCP/IP名前解決 |
NBT(NetBIOS over TCP/IP)ゲートウェイ機能。これにより、WINS/DNSサーバを持たないLANにアクセスするRASクライアントによるTCP/IP名前解決が可能になる(Home Editionは未サポート) |
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ネットワーク・デバイス・ドライバの拡充 |
イーサネット、IEEE 802.11、HomePNA、ケーブル・モデム、ADSL、ISDN、V.90モデムなど、主要なネットワーク・デバイス・ドライバをサポート |
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ICSにおけるTCPウィンドウ・サイズの自動調節 |
インターネット接続共有(ICS)環境における、TCPウィンドウ・サイズの自動的な調節。LAN向けの大きなTCPウィンドウ・サイズをそのままダイヤルアップ回線に適用するとTCPのパフォーマンスが悪くなるので、これを調整して最適なパフォーマンスが得られるようにする(Serverのみ) |
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× |
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ターミナル・サービスにおける音声のリダイレクト |
ターミナル・サービスを利用したアプリケーション実行において、オーディオ・データも利用可能にする。この際、可能ならUDPを使用し、データ転送にかかる負荷を最小限に留める |
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ターミナル・サービスにおけるリモート・デスクトップへのリソースのリダイレクト |
Windows XPベースまたはRDP 5.1対応のクライアントから、ターミナル・サービスのリモート・デスクトップ機能を使用するとき、リモート側のアプリケーション内で、クライアント側のファイル・システムやシリアル/パラレル・ポート、プリンタなどのリソースにアクセスできるようにリダイレクトする。またオーディオ再生をクライアント側で行ったり、クリップボードを使ったデータ交換を可能にしている。ターミナル・サービス用APIが用意され、アプリケーションからリソースのリダイレクトを制御できるようになった |
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ターミナル・サービスにおける解像度/カラー・サポートの強化 |
ターミナル・サービスを利用したリモート・デスクトップ・クライアントにおいて、利用可能な同時表示色数が16色〜True Colorまでに、利用可能な解像度は640×480ドット〜クライアントでサポートされる最大解像度までに拡張された |
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101 |
NetCrawlerによるネットワーク・プリンタ・アクセス |
NetCrawlerはネットワーク(Workgroupネットワーク)に不慣れなユーザーが簡単かつ自動的にネットワーク・プリンタを公開したり、設定したりできるようにする機能 |
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102 |
ウイルス対策機能の強化(Outlook Express) |
電子メールの送信時にユーザーがそれを認識できるようにする、ウイルスの可能性があるファイル・タイプを指定し、それらの添付ファイル開いたり保存したりできないようにする、などのウイルス対策機能が強化された(ただし後者ではIEAKが必要) |
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SharePoint機能を備えたWebサーバ |
Office XPで提供されるSharePoint機能を備えたWebサーバ。これにより例えばホーム・ユーザーは、他の家族ユーザーや、遠隔地からリモートアクセスするユーザーに対し、最新情報を提供したり、家族の写真を公開するなど、高機能なWeb情報サービスを提供できるようになる |
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104 |
ストリーミング・オーディオの拡張(TAPI) |
新しいコーデックの導入による品質と相互運用性の改善、DirectSoundサポートによるレイテンシとミキシング機能の改善などを施し、音声を使ったカンファレンシングをより円滑に行えるようにした |
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105 |
IPストリーミング用サービス・プロバイダの改善(TAPI) |
TAPI Ver.3マルチキャストおよびH.323サービス・プロバイダのストリーミング機能、管理機能を改善。低バンド幅の回線や低性能のシステムを使った動画/音声利用の改善、音声/ビデオ・デバイスの容易な設定などを実現した |
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106 |
ストリーミング・ビデオの拡張(TAPI) |
IPベースのビデオ・カンファレンシングにおけるストリーミング品質の改善。新しいコーデックの搭載やDirectDrawサポートにより、動画品質や描画性能を改善した |
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107 |
障害発生情報の送信 |
ブルー・スクリーンによる障害発生時、次回のシステム起動時に障害情報をネットワーク経由でマイクロソフトに送信可能にする |
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デュアル・ビュー機能のサポート |
単一のディスプレイ・アダプタで2つのインターフェイスをサポートしている一部のハイエンドディスプレイ・カードや多くのノート型PCにおいて、デュアル・ビューを可能にする。これにより例えばノートPCなら、標準の液晶ディスプレイと外部ディスレイの2つを使用して、デュアル・ビュー環境を構築できるようになる。ただし、Home Editionでは未サポート |
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109 |
赤外線接続を経由したイメージ・データ転送 |
赤外線接続を経由して、あるコンピュータから別のコンピュータにイメージ・データを転送可能にした |
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DVD-RAMでのFAT32ボリュームの利用 |
DVD-RAMディスクに対し、スーパーフロッピー形式のFAT32ボリュームとしてフォーマットして、マウント、利用できるようにした |
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111 |
転送モード変更時のリセット処理 |
従来のWindows 2000では、デバイス・マネージャで転送モードを変更したときには、システムの再起動が必要だった。これに対しWindows XPでは、転送モード(PIO/DMAモード)を変更しても再起動が不要になり、転送モードの自動設定が可能になった |
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DVDおよびCD-RWドライブでのデフォルトDMA設定 |
DVDおよびCD-RWドライブにおいて、DMA設定をデフォルトでオンにした |
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113 |
IDEチャネルの転送モード表記 |
デバイス・マネージャのIDEチャネルのプロパティにおいて、正確なDMA転送モード(単なる「DMAモード」ではなく、「UDMAモード4」など)を表示するように改良した。従来のWindows 2000ではDMAモード、PIOモードの表記のみだった |
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IrComm対応 |
IrCommインターフェイスを持つ携帯電話とPCを赤外線接続し、携帯電話をあたかもモデムのように使用して、ネットワークアクセスを可能にする |
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Wake on LAN(WOL)機能におけるWOLパケット選択の改善 |
Wake-upイベントとなる全パケット・パターンでのウェイクアップ、マジック・パケットのみのウェイクアップ、WOLの無効化に対応。きめ細かなWOL動作を可能にした |
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IEEE1394 SAP(Stack Secure Audio Path) |
IEEE 1394バスを経由して送られる、デジタル著作権管理機能(DRM:Digital Rights Management)が適用された音楽などの著作物に対し、DRM情報を取り除くことなく、保護されたままの状態で安全にデータをやり取りする機構の実現。DRM情報が取り除かれた後のデータを読み出すような、特別なフィルタ・デバイスの挿入などを防ぐことにより、Windows XPをオーディオ・ビデオ・デバイスのコントローラやブリッジ、データ・ソースとして機能させられるようになる |
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