ARM
【アーム】
最終更新日: 2006/06/06
英ARM社が設計、ライセンスして、世界中の半導体ベンダから発売されている、組み込み用途向けのRISCプロセッサ・アーキテクチャ。社名のARMは、もともとはAdvanced RISC Machinesの略であったが、現在では単にARMとしている。
ARMは、シンプルなRISCアーキテクチャに基づいており、低消費電力と小サイズのプロセッサコアを特徴としている。基本的には32bitのRISCアーキテクチャのプロセッサであり、32bit長のレジスタを31本備えた(コンテキストに応じてレジスタ・バンクを切り替える)ロード/ストア・アーキテクチャを採用している。命令長は32bitが基本であるが、現在では、組み込み用途などを考慮した16bit長の命令コード(Thumb命令セット)や、浮動小数点演算命令、マルチメディア処理用途などに向けたSIMD命令なども備えている。最近ではJava仮想マシン(Java VM)の実行をサポートするARM Jazelle技術も提供されている。32bit長命令コードでは、ほとんどすべての命令に条件フラグを参照するフィールドが用意されているのが特徴的である。これにより、条件の成立/不成立に応じて命令を実行したり、スキップしたりできるので、プロセッサ・パイプラインを乱す条件分岐処理をなるべく少なくすることができるという効果がある。
ARM社自身はプロセッサを製造せずに、コアや周辺チップの設計開発、ライセンシングのみを行い、ライセンス契約した半導体ベンダがARMプロセッサやARMコアをベースにした製品を販売している。組み込み用プロセッサとしては圧倒的なシェアを誇る。
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