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組み込みプロセッサ (embedded processor)

【クミコミ・プロセッサ】

別名
埋め込みプロセッサ (embedded processor) 【ウメコミ・プロセッサ】

最終更新日: 2001/09/03

 電化製品や工業製品、各種OA機器、携帯機器などに組み込んで、その制御用として使われるプロセッサのこと。埋め込みプロセッサなどと呼ばれることもある。

 現在では、あらゆる電気製品に制御用のプロセッサが組み込まれている。このような用途で使用されるプロセッサは、パソコンなどで使われるプロセッサと比べると、非常に大量に使われるものの、コストや消費電力、サイズなどに対する要求が厳しく、また、システム全体のコストを下げるためにも、ゲートアレイの一部品としての利用や、多くの機能(ROMやRAM、タイマー、メモリコントローラ、割り込みコントローラ、バスインターフェイス、センサーやスイッチへの接続回路、シリアル/パラレル・インターフェイス、など)が統合されていることが望まれる。使用目的やコストなどに応じて、4bitプロセッサから8bit、16bit、32bitと、数多くの種類が用意されている。また音声や映像データのリアルタイム処理などのために高速なDSPを搭載したものや、x86などの汎用プロセッサと同様の命令セトアーキテクチャをベースにして、既存のソフトウェア開発環境などを有効利用できるようにしたものもある。

 組み込みプロセッサでは、ソフトウェアの互換性に対する要求はそれほど高くないので(一度組み込んだシステムに対しては、通常はソフトウェアのバージョンアップなどを行う必要がないため)、用途に応じてさまざまなアーキテクチャの組み込みプロセッサが開発されている。最近では、(コードサイズ縮小のために)命令コード長を短くした、RISC型のアーキテクチャを採用して、性能の向上を図っているものが多い。また、オペレーティングシステムとしてはリアルタイムOSが使われることが多い。

 代表的な組み込みプロセッサとしては、日立製作所のSHシリーズ、三菱電機のM32R/D、日本電気のV800/VRシリーズ、MIPSのRシリーズ、ARM社の各種ARMシリーズ、AMDのAm29K/E86シリーズ、TIの320シリーズ、Intelのi960シリーズ、IBMのPowerPCシリーズ、MotorolaのColdFireシリーズを始め、非常に多くの種類がある。

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