オラクル自身の変身、「“e”はefficiency(効率化)」

2000/12/15

Mark Jarvis氏「これまでのビジネスでは“大”が“小”に勝っていた。これからは、“速さ”が鍵を握る」

 12月14日、開催中のOOW(オラクル・オープン・ワールド)のオープニングセッションで、同社自身のeビジネスの取り組みを紹介した。

 スピーチをした米Oracleワールドワイド・マーケティング総責任者チーフ・マーケティング・オフィサーMark Jarvis氏は、オラクルが世界規模で取り組んで10億ドルのコスト削減を実現した“イー”化を報告した。

 Jarvis氏によれば、エリソン会長の“オラクル自身がeビジネスを実践――10億ドル削減せよ”という指示の下、同社では1年半前から取り組みを開始したという。「オラクルは100億ドル規模の会社だから、(10億ドルとは)その10%。だれもがクレイジーなアイディアだと思った」とJarvis氏は苦笑する。だが、その数字を1年でクリア、今では目標を20億ドルに上方設定し、更なる取り組みを進めているのだという。

 「テクノロジーの進化、構造改革、プロセス進展、社内文化の発展。4つの面での転換だた」とJarvis氏は振りかえる。例えば技術面。散在していたメールサーバを1つにする、全てのデータとアプリケーションを2カ所のデータセンターに集約するなど、情報システム統合を成し遂げた。Jarvis氏はエピソードを交えながらその過程を紹介する。当初、人事システムは世界各国の72システムに分かれて管理されており、全従業員数を調べるのに9日間かかったという。「やっと全システムからの回答が揃って、人数をエリソン会長に報告したとき“それは今日の人数か?それとも9日前の人数か?”と聞き返された」とJarvis氏、会場からは笑いが起こった。 実行した立場から、「“イー”とは電子化(electricity)の“イー”ではなく、効率化(efficiency)の“イー”なのだと実感した」と語った。

 総括として、「どんな企業でも10〜20%のコスト削減は可能だ」との展望を述べる。「eビジネスでは、システム導入の際にかかる経費ではなく、効率化を重視するべきだ」というアドバイスで締めくくった。

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