Sun、Ultra Sparc III搭載サーバの出荷延期

2000/12/16
(12/14/00, 5:57 p.m. ET) By Mark Hachman, TechWeb News

 Sun Microsystemsのある役員によれば、同社の最新のUltra Sparc IIIベースのサーバのリリースが、少なくとも1カ月は遅れそうだとのことだ。だが、製造過程上の理由のためかどうかは明らかにされなかった。同社のWebサイトには、ワークステーションSun Blade 1000とSun Fire 280Rサーバが一時的に延期になると書かれている。

 Sun Fire 280Rのリリースがいつまで延期されるのかはっきりしないまま、Sun Blade 1000に付記された注意書きによれば、同ワークステーションは1月にずれ込むという。

 “注文が殺到し、Sun Blade 1000は出荷状況が遅れている”と注意書きには書かれている。“Sun Blade 1000は引き続き受注中だが、1月まで台数には限りがある”

 15日、Sunの代表者はWebサイトに書かれている以上のコメントを控えた。“Sun Blade 1000の出荷を続行します。ですが、数としてはわが社の満足のいく台数ではありません。多大な要求と在庫品のバランスが理由です。今後1カ月以内には、これまで通りの台数での出荷を開始したいと考えています”

 代表者は、このワークステーションの出荷の遅れの理由に付いては“分からない”とした。そして、在庫に対しての見通しについてのコメントを避けた。だが、後続する同社のミッドレンジやハイエンドのサーバに対する影響はないという。

 ところが、このコメントは、一概にこの手の製品は需要が遅いという背景に反する。アナリストによれば、PC市場では減速が急に現われたと言われているが、Sunには影響ないはずだという。

 “われわれの需要のチェックでは、数十のVAR(負荷価値再販業者)とSunの全米トップ3のディストリビュータの1社を調べた” と語るのはBanc of America Securities LLCのアナリストKurt King氏だ。同社では13日、Sunの“買い”のランクを“strong buy”から一段格下げした。

 “大きな変動は認められないが、今四半期がはじまった当初の予測より減速している”とKing氏は続ける。“問題は、Sunの競争や執行上のものではなく、このところ続いている市場の需要の減速傾向にある。これは明らかだ”

 King氏やその他のアナリストはSunが再販業者に対するリベートを3%に設定していることを指摘している。これは、12月の同社の全製品の売上を促す対策だ。

 SunはUltra Sparc IIチップからの製品ラインの移行を図っている。Ultra Sparc IIIはIIにくらべパフォーマンスが倍になるといわれている。

 Sun BladeとSun Fire 280Rは、Ultra Sparc III世代にカスタマーを誘導する主力製品と見られていた。Ultra Sparc III世代は、来春、登場する“Daktari”ワークグループサーバと“Serengeti”ミッドレンジ・サーバとともに始まると予想されている。

 その後に登場するハイエンドの“StarCat”はSun Enterprise 10000の代替となり、Ultra Sparc IIIのプロセッサを105基搭載すると言われている。

 Sunは、チップの出荷が予想より数カ月遅れた後、9月にUltra Sparc IIIを内蔵したSun Bladeと Sun Fireを発表した。

[英文記事]
Sun's UltraSparc III Servers Delayed

[関連リンク]
Sun Microsystems

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