IBM、米で特許取得数が8年連続首位

2001/1/13

 米IBMは、1月10日、米国において2000年で合計2886件の特許を取得し、取得件数が8年連続で1位となったことを発表した。

 同社の発表は、米国で付与される特許件数をカウントしているIFI CLAIMS Patiens Servicesの発表を受けてのもの。内訳は、ソフトウェア分野で約1000件、半導体分野で約1000件、ストレージ分野で約400件とのこと。同社テクノロジー・アンド・マニュファクチャリング担当シニア・バイスプレジデントのニコラス・F・ドノフリオ氏によれば、すでに3分の1が製品などの形で市場で提供されているという。また、同氏は、今年2001年もさらなる特許取得を予想しているとコメントしている。これらの特許により創出される収入である特許権使用料の総額は10億ドルを上回るという。

 特許の中には、音声認識、ストレージ、ワイヤレス、知覚(嗅覚)を用いたコンピューティングなどがある。例えば音声認識では、個人のもつ声紋の特性を認識し、声の持ち主に特有の命令を実行することを実現する技術(特許名:コマンドの曖昧さの透明な分析と連続的なアクセス・コントロールを実行するテキスト非依存音声認識)など。

 同社の特許取得数は、5年間で倍以上に増えた。技術の急速な進展などさまざまな原因が考えられるが、訴訟・裁判王国である米国では特に、特許の持つ力が法的にも経済的にも強いという側面は見逃せない。ソフトからハードウェア、システム構築、サービスと幅広い事業部門を擁する同社では、ここ数年、ソフトウェアやコンサルティングをはじめとする知的財産から確実な収入を得られるよう体質の転換を図っており、その過程にあって、特許の持つ役割はますます大きくなることだろう。

 ちなみにIFIでは、IBMに続いて取得数が多かった企業は、NEC(2020件)、キヤノン(1890件)、サムソン(1442件)、ルーセント・テクノロジーズ(1411件)と発表している。

(編集局 末岡洋子)

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