コンパックと富士通のストレージが相互接続へ

2001/2/1

 コンパックコンピュータと富士通はストレージシステムでの協業を発表した。共同で両社製品の相互接続性検証を行うほか、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)の標準化へも積極的に取り組んで行く。

握手をする両社の代表者
左がコンパック取締役副社長 河合聰氏、右が富士通常務取締役 ファイルシステム事業本部長 宮澤達士氏

 今回の提携に基づき、両社は両社のストレージ製品とサーバ製品の相互接続性、SAN管理ソフトウェアの接続性の検証をSIビジネスレベルで進める。作業は、コンパック天王洲本社内にあるストレージ製品コンピテンシー・センター、富士通沼津工場内のIOC(Inter Operability Center)で行われる。

 標準化の取り組みに関しては、コンパックの提唱する統合技術「VersaStor」が中心となる。「VersaStor」とは、異機種のストレージ製品で仮想のストレージ集合体を作り、単一インターフェースでアクセス可能とすることで、ヘテロジニアス(異機種混在)環境でのストレージ管理を実現する技術。富士通はこの日、「VersaStor」技術を支持することを正式に発表、今後、同社製品への搭載を進めて行くという。

 同時にコンパックが参画しているSANの標準化団体、SNIA(Storage Networking Industry Association)での活動を積極的に展開する。富士通は、2001年2月1日に開設予定のSNIAのセンターに同社ストレージ製品「GRシリーズ」を設置し、検証作業を通し提案して行く。

 ストレージ市場の伸びは5年で1.3倍といわれており、各社が競って製品を投入し、シェア獲得を図っている。現在の主流は、ホスト直結型やDAS(Direct Attached Storage)と呼ばれる、ストレージとサーバが直結した形で、サーバのプラットフォームにストレージが依存している状態だ。将来的には、異なるサーバと異なるストレージ製品が統合される環境が理想とされており、3年前からSNIAなど各種の標準化団体が誕生し取り組みを進めている(2001年1月24日付け記事「“Storage over Ethernet”が標準化を解決する鍵か?」参照)。

 これまでのところ、富士通は同社のメインフレーム接続型を中心に展開してきたが、今回の提携によりオープン系技術を得たことになる。一方のコンパックは、メインフレームへの接続部分と「VersaStor」の支持を獲得した形だ。米コンパックでも、IBMとの提携、SNIAの検証センターを同社の検証センター内に設置するなど、活動を進めている。コンパックエンタープライズビジネス統括本部ストレージ製品本部ストレージ市場開発部部長の一井剛氏は「標準化は早晩必要。誰かがやらなくては」と「VersaStor」を推進する姿勢を見せた。

[関連リンク]
コンパックの発表記事
富士通の発表記事
SNIA

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