NCR、ワン・ストップ型のCRM新製品を発表

2001/2/16

 日本NCRは2月15日、分析機能とパーソナライズ機能が特徴の包括的CRM製品「Teradata CRM Solution Version4」を発表、販売を開始した。

米NCR テラデータ・ディビジョン エクゼクティブ兼COOのマーク・ハード(Mark Hurd)氏も列席、「分析系のDWHで1位を目指す」とコメントした

 新製品は、顧客行動のパターン分析・予測機能が特徴のセレス社のCRMアプリケーションをNCRの「Relationship Optimiser」と統合したもの。多機能で包括的なソリューションを実現したという。米NCRはセレス社を昨年買収している。

 「CRMはここ数年で急速に広まったが、事例を見るとどれも部分的」とNCR TD/CRMソリューション統括部統括部長 金井啓一氏。「CRMとは企業全体で取り組むもので、ビジネスプロセスそのものを(製品中心から)顧客中心に変えること」と同氏は主張する。

 新製品の最大の特徴は、単一製品で全てを網羅した点。DWH(データ・ウェア・ハウス)の構築によりデータを情報へ転換→顧客行動の分析と予測→顧客毎のマーケティングの立案→チャネルの統合とアクション、の4つのプロセスを回すことにより、効果をあげていくアプローチをとる。その際に必要となるデータ統合やプロファイル作成、コンタクトといった機能をカバーした。マーケティング手法に関しても、マス・マーケティングやイベント・マーケティングといった多彩な手法をサポートする。

CRM市場へかける意気込みを語る日本NCR上田社長(左)。右は昨年10月に日本ブロードビジョン代表取締役社長に就任した坂寄嗣俊氏

 構造としては、中間にアプリケーション・サーバ(独自製品)を設置する3階層アーキテクチャによるゼロ・アドミニストレーション・クライアント環境を実現し、開発者やユーザーの使いやすさを考慮した。また、分析、モデリング、パーソナライゼーション、コミュニケーション、最適化、インタラクションの各機能はさらに20個に細分化され、全てモジュールとして提供される。例えば、「コミュニケーション・マネジャー」では、電子メール送付、DMでの資料送付など企業側のアクション(アウトバウンド)、資料請求、ホームページアクセス、入金など顧客からのレスポンス(インバウンド)を分け、一連のマーケティング活動毎に自動表示する。

 日本NCR代表取締役社長 上田寿男氏は、同社のCRM分野での展開戦略として、「金融、通信など業種に特化した販売・マーケティング活動を行うこと、パートナーシップによりフロント側のソリューションと補完し合うことの2点を主軸としている」と語った。その一環として、ブロードビジョンと世界規模で提携関係を締結、共同でパーソナライゼーションに特化したセンターの設立・運営やマーケティグ活動を行っていくことを明らかにした。

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