サンのPtoPは「JXTA」、ビル・ジョイが発表

2001/2/17

 2月15日から開催中のPeer-to-Peer Conferenceで、米サン・マイクロシステムズが同社のPtoP構想を明らかにした。同社がPtoP関連のソフトウェアを開発中であることは一部で報じられていたが、サン関係者の口から発表されるのは今回が初めて。

米サンのビル・ジョイ氏

 同カンファレンス主催者であるO'Reillyが発表したところによると、サンのチーフ・サイエンティストであるビル・ジョイ(Bill Joy)氏が基調講演を行い、「JXTAイニシアティブ」を発表した。ビル・ジョイ氏はUNIXやJava、Jiniの開発にかかわった人物で、サンの共同創設者でもある。

 「JXTA」はオープン・ソースのプロジェクトで、Apacheライセンスの下で提供される予定。リリースは米CollabNet社の援助を受け、今年4月を目指すとしている。CollabNetは、コラボレイティブ型ソフトウェアの開発ツールやサービスを提供するベンダー。

 JXTAのプロジェクトマネジャー、マイク・クレィリー(Mike Clary)氏は「提供するものは最低限のもので、利用者が革新的に利用する」と説明したという。基本的なメカニズムとしては

  • 一人と一人をつなぐ
  • グループの形成、グループ内にさらにグループを形成
  • 何が行われているかを知り、グループのポリシーを策定するため、モニタリングとメータリングで監視・観測
  • セキュリティ層を構築
などが挙がっているという。特にセキュリティに関しては、初めに取り組むべき課題と位置付けている模様。「(そのために、構築に)時間がかかっても構わない。正しい方法でセキュリティを確保しておくことが成功につながるのだ」というジョイ氏のコメントが報じられている。

 「一部だ」としながらも、この技術がサンが先日発表した同社のWebサービス戦略「Sun ONE」に含まれることを認めており、ライバルであるマイクロソフトにとっては脅威となることは間違いないものと思われる(2月8日付け記事「SunがWebサービス戦略―ライバルMSへの回答」参照)。ジョイ氏はMSの提唱する.NETとの違いに関し、「複雑にしてしまわないこと」とシンプルさを強調したという。「標準化団体を持ちたくない。Javaで行っているようにライセンスを与えるようなこともしたくない」とこれまでのJavaやJiniとは異なる展開を望んでいるようだ。ただし、2月16日現在、同プロジェクトについてサンからの正式発表はまだ行われていない。

[関連リンク]
O'Reillyの発表資料(英語)
米サン・マイクロシステムズ
CollabNet

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