バーン、新製品を引っさげてカムバック
2001/2/22
ERPベンダーのバーンは、2月21日、日本で新製品「i BAAN」を正式発表した。また、製品発表に合わせて来日した同社マーケティング・アライアンス担当上級副社長 ヘンク・デルータ(Henk de Ruiter)氏が今後の同社の戦略や経営方針を明らかにした。
“復活”を強調するデルータ氏、今後を左右する「i BAAN」にかける意気込みは強い |
9四半期連続で業績が赤字だった蘭バーンは、2000年8月、英インベンシス社による買収以後、経営転換を図ってきた。今年の2月7日に発表した最新の業績結果では47%のコスト削減と黒字転換を実現、新メッセージ“Get to the point”を打ち出した。また、1月30日の米国を皮切りに全世界的に「i BAAN」発表会を展開中。復活を印象付けようという狙いのようだ。
「i BAANの“i”はインターネットのi、インターネットをイネーブラーに、受注生産型への移行、ERP、CRM、SCM、ECの機能統合実現する」とデルータ氏は説明する。同社が発表するソリューション体系の共通の商品名となる。
この日の発表製品は「i BAAN Collaboration」、「Portal」、「OpenWorld」の3つ。「Collaboration」はパートナーや顧客との協調型のECを実現する機能で、「Portal」はカスタマイズ可能な企業内ポータル。「OpenWorld」は、XMLベースのフレームワークにより各種アプリケーションとレガシー・システムをシームレスに統合する。SCMのような既存製品、あるいは機能強化した製品と、「Collaboration」のような新既製品を組み合わせることにより、統合的なソリューションを提供する。また、スタンドアロンとして単独利用も可能という。また、ECのソリューションとしては「iService」「iSell」といった7つの機能からなるスィートを用意する。
一足先に参加した従来のライバルに加え、新規参入や、これまでフィールドが違うために競合しなかった他社など、同社は競争が激しいBtoB、コラボレーション市場に参入することになるが、「バーンの製品でも他社製品でも統合できるオープン性、強いERPバックボーン、製造業に特化したソリューションで差別化を図る」とデルータ氏は語る。中小企業には統合型のソリューションを提供し、大企業には一部を切り売りする、と柔軟な姿勢で望む。包括的統合アプローチをとるオラクルやSAP、あるいは“Best of Breed”としてBtoBに特化しようとするアリバなどとは一線を画していく構えだ。
(編集局 末岡洋子)
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