ターボリナックス、エンタープライズ向けサーバOS発表

2001/4/6

「Turbolinux Server 6.5」

 ターボリナックス ジャパンは4月5日、サーバOSの新バージョン「Turbolinux Server 6.5」を発表した。同製品は、エンタープライズレベルでの運用を考慮した機能と安定性を重視した仕様になっていることが最大の特徴。

 カーネルは、最新版の2.4.xではなく安定した2.2.18を採用し、最大4Gbytesの物理メモリをサポートする。ディスク関係機能は大幅に強化され、高可用性を実現するジャーナリングファイルシステム(ext3およびReiserFS)、約4Tbytesまでのファイルを扱えるLarge File、複数のディスクを単一のボリュームとして扱えるLVM(Logical Volume Manager)、カーネルを経由せずにデバイスにアクセスできるRaw I/O、カーネルパラメータを動的に変更できるkparamなどを装備する。

 デフォルト設定ではすべてのポートが閉じられており、意図しないセキュリティホールの発生を低減させる配慮も行われている。また、128bits SSL(Secure Sockets Layer)ライブラリを搭載しており、セキュアなECサイトの構築も可能だ。

 今回のバージョンからはシングルバイナリで日本語、英語、韓国語、繁体中文、簡体中文の5カ国語をサポート。画面メッセージや入力で各国語を利用可能だ。

 Turbolinux Server 6.5のもう1つの特徴は、以前から注目されていた同社初のGUIインストーラ「Mongoose」(マングース)の搭載である。パーティションやパッケージ選択など、各種の設定をGUIで設定できるようになり、インストールがより容易になっている。なお、以前と同様のGUIインストーラも利用可能だ。

GUIインストーラ「Mongoose」画面(クリックで拡大) 標準でバンドルされる2つの管理ソフトウェア(クリックで拡大)

 同製品の発売日は2001年4月20日で、価格は3万9800円。セキュリティアナウンスや90日間、5インシデントのサポートが付属する。主な仕様は以下のとおり。

  • コアコンポーネント
     カーネル 2.2.18
     glibc 2.1.3
     XFree86 3.3.6
  • 主要アプリケーション
     Apache 1.3.17
     sendmail 8.9.3
     proftpd 1.2.1
     BIND 8.2.3
     Samba 2.0.7
     PostgreSQL 7.0.2
     MySQL 3.23.33
  • バンドルソフト
     HDE Linux Controller 2.0 Express
     NetVault 6 Turbolinux OEM版
    など

代表取締役社長 小島國照氏

 発表会では代表取締役社長 小島國照氏が同社の戦略をプレゼンし、サーバ製品の出荷が順調に伸びていることを強調。また、同氏はLinux、UNIX、Windowsの比較を行い、「もはやWindowsは比較の対象ではない。LinuxはこれからUNIXと比較すべきである」として、エンタープライズ市場でのライバルはUNIXになると予測した。さらに、2月に買収・合併が完了したLinuxcareについても触れ、日本でどのように展開するかは未定としながらも、Linuxcareが持つナレッジデータベースを活用したサポートを行いたいと語った。

 ちなみに、同社の製品ロードマップは以下のとおり。カーネル2.4.xベースへの移行は2001年後半からになりそうだ。

(編集局 中澤勇)

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ターボリナックスの発表資料

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