製品体系を一新しシェア拡大を図るiPlanet

2001/5/15

 iPlanet E-コマース・ソリューションズジャパンは5月14日、都内で会見を開き、同社のプラットフォームとWebサービス、今後のロードマップなどについて明らかにした。

動的に対応するプラットフォーム

iPlanet E-コマース・ソリューションズ シニア・バイス・プレジデント スチュアート・ウェルズ氏

 来日した米iPlanet E-コマース・ソリューションズのシニア・バイス・プレジデントのスチュアート・ウェルズ(Stuart Wells)氏は、同社の提供する次世代のEコマースプラットフォームについての解説を行った。

 企業はeビジネスの導入など、これまでのビジネスからのシフトを迫られている。しかし世界経済の減速が指摘される現況では、設備投資に割く予算は必ずしも潤沢でない。そういった背景から、各社はリスクの少ない安全な方法でのシフトを望んでいる。

 ウェルズ氏によれば、同社の提供するEコマースプラットフォームでは、最優先課題であるコスト抑制を解決するだけでなく、マーケティングに活用することにより、収入の増大、顧客の囲い込みなどの利点があるという。

 ECシステムのベンダー各社は一様に、統合化されたECプラットフォームの必要性を語っている。iPlanetでは「ダイナミックコマースプラットフォーム」として、ビジネスモデルの変更に柔軟に対応するプラットフォームを提供するとした。具体的には、再利用・使い捨てが可能なコンポーネントを持ち、XML、J2EEなどの標準に準拠し、共通のカタログ、共通の統合メカニズムをもつ。

 eビジネス・インフラは需要が高く競合もひしめく市場だが、「システムの複雑さが最大の課題。直感性のあるユーザー・インターフェイスを提供し、使いやすさを追求する」とウェルズ氏。統合ユーザー管理、Web/アプリケーションサーバ群、ポータルやコマース機能と幅広い製品体系を元にシェアの維持・獲得に意欲を見せた。

Smart Webサービス

 E-コマース・ソリューションズジャパン代表の末次朝彦氏は、Webサービスに関する同社のビジョンを説明した。同社では次世代Webサービスとして“Smart Webサービス”を提唱している。ネットを介してサービスが提供される段階から進化して、サービスはスマートになり、さらにさまざまなデバイスに対応するというものだ。それ以外の要素として、オープンなインターフェイス、その場の状況を認識してサービスを提供するコンテキスト指向(Context Aware)、ユーザー・エクスペリエンスに基づいたサービス提供などがある。「ネットでのエクスペアリエンスが重要だと言い続けてきた」という末次氏は、「ユーザーをつかむネットワーサービスの提供が重要だ」とし、同社のビジョンはそれを実現する製品を提供することだと述べた。

 同社では、この日、「iPlanet Application Server(iAS) 6.0」を「iPlanet Application Server 6.0 Enterprise Edition(iAS EE)」と名称変更し、価格体系を変更したことを発表した。これにより、同社のアプリケーションサーバ製品体系は、iAS EEのほか、「iAS Standard Edition(SE)」「iAS Enterprise Pro Edition」の3ラインアップとなる。価格に関しては、最大約60%の低価格化を行った。

 今後のロードマップとしては、J2EE1.3に対応し、CORBA対応の強化を図ったバージョン6.1が2001年秋ごろ開発完了の予定。バージョン7では、J2EEに完全準拠し、高速なJava実行エンジンやサーブレット/JSPを備える。開発完了は2002年を予定している。開発環境に関しては、「Forte for Java Enterprise Edition 日本語版」が2001年中には発表される予定だ。

 また、パートナー戦略を積極的に進めているという同社では、新たに、EJBコンポーネントを提供するEC-Oneと提携したことも発表している。

 iPlanetは1999年3月、米ネットスケープを買収した米アメリカ・オンライン(AOL)と米サン・マイクロシステムズの戦略的アライアンスとして発足した。現在、アプリケーション・サーバでは世界で1万本、日本では1000本の実績を持つという。

(編集局 末岡洋子)

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