合言葉は「エンタープライズ」、LinuxWorld Expo/Tokyo 2001開催

2001/6/1

 東京ビッグサイトで5月30日、「LinuxWorld Expo/Tokyo 2001」が開幕した。会期は6月1日まで。第5回目を迎える今回は83の企業や団体が参加し、約60のセッションが開かれる。

 このExpoにあわせて、米IBM、NEC、日立製作所、富士通がエンタープライズLinuxの機能強化などに関して協業すること、オープンソースを利用してミッションクリティカル業務などに利用できる開発環境の提供を目的としたオープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OSDL)が、日本に研究施設を開設することなどが発表された(「Linuxの研究施設OSDLが日本に施設を設置」参照)が、展示会場でもLinuxベースでの企業業務システムへの取り組みが目立った。

写真1:オラクルブースでは、NEC製ディスクアレイ「iStorege」で「Oracle Parallel Server」をアピール

 会場入り口に最大のブースを設けているのが、日本オラクル/ミラクル・リナックス。メインステージでは、Linux+Oracleでのエンタープライズでの利用をアピール。展示コーナーでは、NECのディスクアレイと組み合わせてクラスタリングシステムを実現する「Oracle Parallel Server」や、アプリケーションサーバ「Oracle9iAS」などのほかに、MIRACLE LINUXをサポートするサードパーティ製のビジネスアプリケーションのデモを行っていた(写真1)。

 日本IBM、NEC、富士通、コンパック、日本HP、NTTコムウェアなどの大手SI企業のブースでも、ビジネスソリューション提案がメインで、やはりエンタープライズでの利用を訴えるところが目立つ。

 日本SGIでは、7月出荷予定のインテルの64ビットプロセッサ「Itanium」搭載のLinuxワークステーション「Silicon Graphics 750」をアピール。Itaniumプロセッサと64ビットLinuxに最適化した科学技術計算ライブラリが組み込まれており、科学技術計算やハイパフォーマンスコンピューティング分野を狙う製品だ(写真2)。

 変わったところでは、組み込みLinux用開発ツールメーカーのタクシアのブースに展示されていたWeb閲覧用のパッドが目を引いた(写真3)。

 5月31日に同会場で行われたタクシアの発表会では、組み込みLinux用開発ツール「TUXIA Synthesis Environmet 3.0(TSE)」、Mozillaベースの組み込み用ブラウザ「Nanozilla」の説明が行われた。同社はオープンソース・スタンダード環境による組み込み系インターネット・アプライアンスを推進しており、ナショナルセミコンダクタージャパン、ぷらっとホームとの協業を表明していた。

写真2:「Itanium」搭載のLinuxワークステーション「Silicon Graphics 750」 写真3:タクシアのブースには、Web閲覧用のパッド「Web Pads」が並んでいた

 

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LinuxWorld Expo/Tokyo 2001

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