普及し始めたブロードバンド、その利用用途は……

2001/8/10

 イーシー リサーチ(ECR)は8月9日、ブロードバンド・サービスの契約者のコンテンツ別利用動向を独自に調査した「国内ブロードバンドアクセス市場戦略分析」を発表した。2001年の家庭におけるブロードバンド・ユーザーは全インターネット接続契約数の16.5%に達する見込みで、インターネット経由でのラジオやテレビなどのメディアの利用が増加するという。

 同社では、2001年の家庭におけるPCからのインターネット接続契約数は2607万人に達し、うちブロードバンド・コンテンツの利用者は16.5%にあたる430万人になるという(ブロードバンド・コンテンツを年1回でも利用した場合は1人として計算)。この数は、2002年には3倍の1292万人に、2005年には12倍の5468万人に達すると予測している。ブロードバンドアクセスの定義として、500kbps以上の通信速度を有する回線を利用していることで、専用線、xDSL、ケーブル、光ファイバ、無線などが含まれる。

 ブロードバンドで利用されるコンテンツ形態としては、コンテンツを以下の6つに分類して調査した。

  • オンラインゲーム
  • インターネットメディア(インターネット経由で配信されるラジオやテレビ番組)
  • ブロードバンドコミュニケーションズ(チャット、テレビ電話、電子掲示板など)
  • ソフトウェアのダウンロード及びASP
  • 映像配信
  • 音楽配信

 2001年時点での構成比は、オンラインゲームが9.6%、インターネットメディアが2.1%、ブロードバンドコミュニケーションズが11.7%、ソフトウェアダウンロード・ASPが47.2%、映像配信が9.0%、音楽配信が20.6%、ソフトウェアのダウンロードがほぼ半数を占めた。同社では、今後1〜2年にかけてインターネットメディアが著しく伸び、コミュニケーションや映像配信も安定して成長すると見ている。その結果、2005年には、それぞれの比率は、10%、12.6%、15.6%、22%、19.3%、20.4%と予測している。調査を担当した同社シニアアナリスト 三浦和義氏によれば、「アナログコンテンツのデジタル化から進み、複数のカテゴリを縦断した利用方法が進むのではないか」という。 

 同社では、ISP各社のADSLへの取り組みや光ファイバ回線プロバイダの登場などが、ブロードバンド・ユーザー急増の要因と見ている。ISP間の値下げ競争によるADSLの低価格化、提供エリア範囲の拡大も挙げられるだろう。ブロードバンド・コンテンツ市場とブロードバンド・ユーザーの増加は、相互に影響し合って成長するもので、コンテンツの充実に安定的な常時接続・高速インターネット接続サービスは不可欠としている

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ECR

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