“80/20ルール”を利用し効率化を図るセルフ・サービス新製品
2001/9/13
CRMソフトウェアベンダのイーゲイン ジャパンは9月12日、Web上でセルフ・サービス機能提供を実現するツール「eGain Assistant」を発表した。9月27日より出荷を開始する。
米イーゲイン・コミュニケーションズ社長 グンジャン・シンハ氏 米イーゲインは今年度黒字転換する見通しという |
企業にとって、コールセンターのコストセンターからプロフィットセンター化は課題だ。その解決策として、従来のコールセンターからWebチャネルに重点を置いた複数のチャネルを提供するコンタクトセンターが注目されている。「Webベースのコンタクトセンター市場の成長率は32.5%」と米イーゲイン・コミュニケーションズ社長 グンジャン・シンハ(Gunjan Sinha)氏は言う。この数字はコールセンター市場の成長率の約10倍にあたるものだ。
同社は1997年に創業し、日本法人は2000年10月に設立された。コールセンター、電子メール、Web、セルフ・サービスの4分野で構成されるCRMスイート製品「eGain eService Enterprise」を提供している。この日同社が発表した製品は、セルフ・サービス分野の機能を担う製品。
このセルフ・サービス機能の重要性を示すものとして、イーゲイン ジャパン 代表取締役社長 久我信之氏は、「顧客の問い合わせの80%は、内容を分析すると20%に集約できる」として“80/20のルール”を引用する。「この80%の部分を、人手をかけずに対応するソリューションとしてセルフ・サービスが必要」という。久我社長によれば、この80%を、難易度と頻度という2特性から分析してみると、簡単でよくある質問に分類される。オンライン・バンキングを例にとると、口座残高の問い合わせなどがある。
新製品のeGain Assistantは、Web上で動く小型のエージェントにより、この部分の自動化を目指すもの。自然文入力に対応し文脈を読み取ることができるので、Web上にバーチャルなキャラクターを登場させ、サイトを訪問した顧客とのやり取りの中であいさつやFAQへの回答を行ったり、複雑な問い合わせを人間の担当者へ転送するなど、高度なセルフ・サービス機能をもつWebサイトを構築できる。
ユーザーは24時間365日対応が実現するほか、使い勝手の向上などにより、企業のブランドイメージ向上につながる。また、システム導入企業にとっては電話件数の減少、オペレータの管理、柔軟なシステムの拡張などのメリットもあるという。同製品を導入した、アンチ・ウイルスベンダの米McAfee.comでは、オペレータ約47人に相当する量をWebで対応できたという。
同社では、丸紅のほか、金融各社を対象にコンサルティング事業を展開しているアイエスアイと提携して、販売を行う。
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イーゲイン
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