NAS市場で40%のシェアを取ると、マウンテンビュー・データ
2001/11/29
マウンテンビュー・データは11月28日記者発表を開き、NAS(Network Attached Storage)サーバ用のOS/管理ソフト「MVD Powered NAS 1.0」を発表した。
同社は、ネットワークストレージのソフトウェア開発と販売を目的として、2000年10月に米国で設立された米マウンテンビュー・データの日本法人(日本法人設立は同年12月)。
マウンテンビュー・データ 代表取締役社長 クリフ・ミラー氏 |
同社 代表取締役社長のクリフ・ミラー(Cliff Miller)氏は、記者発表でマウンテンビュー・データの戦略について語った。ミラー氏は、「これまでストレージといえばハードがメインで語られることが多く、地味な分野だった。しかし、これからはホットな話題になる。特にソフトウェアが中心になるはずだ」と語り、今後のストレージ市場(特にSAN/NAS市場)では、ソフトウェアに焦点が当たると強調した。
同社は、まさにその市場をターゲットにするが、それでもストレージ市場は競争が厳しいとミラー氏はいう。現在はハードベンダも差別化のため、次第に管理ソフトなどを充実させようとしているためだ。同社もEMCなどの巨大な専業ベンダと競合する気はなく、低価格NASと高機能・高価格のSAN/NASとの間にあるミッドレンジの市場を狙っていく考えを明らかにした。
マウンテンビュー・データが今回発表したNASサーバ用のOS/管理ソフトの「MVD Powered NAS 1.0」は、、インテルアーキテクチャ(IA)のハードに対応し、GUIで操作できるさまざまなNAS管理機能を搭載している。販売は、ハードベンダ、システムインテグレータ(SI)などとOEMライセンス契約を結び、OEM先が販売を行う形式をとり、同社がリテール販売する計画はないという。同社はOEM先ごとにカスタマイズや技術者サポート、技術トレーニング、共同マーケティングを展開する。
OEM先の目標数を聞かれた同社取締役 五十嵐 教司氏は、「詳しい相手先、内容などは話せないが、大手ベンダを含め、20社程度と採用を前提に打ち合わせを行っている」と述べた。なお、同社のソフトを採用したNASサーバは、すでにぷらっとホームが10月26日に発売を開始している。今後、来年の春ぐらいには、新たなOEM先などが明らかにできるのではないかという。
「MVD Powered NAS 1.0」は、LinuxをOSとして採用しているが、カーネル、ファイルシステムの部分をかなりカスタマイズしているという。同製品は、スナップショット機能を標準搭載し、サーバを停止することなくファイルをバックアップでき、最大255回のスナップショットを取得可能だ。そのため、ファイルシステムのバージョン管理なども容易にできる。また、オンラインファイルシステムリサイズ機能により、サーバを稼働させたままHDDの増設、パーティション(同社製品ではシェア)の作成、拡張、削除などが可能だ。異機種間のファイル共有も、NFS、samba 2.2、Appletalkを採用しているため問題はない。そのほかにもハードウェアモニタリング機能、障害のe−Mail通知機能など、多くの管理機能を搭載している。
同社によると、MVD Powered NASは、2002年にバージョン2.0(ほかのサーバなどとの同期機能を搭載)、3.0(ストリーミング機能を搭載)、4.0(NAS/SANの統合機能)をリリースし、2003年には大規模なiDC用サーバなどの大規模サーバ群も管理できる「Colorado Project」(コードネーム)をリリースする予定だ。ミラー氏は、「これらの製品のリリースにより、同社は2003年までに日本のNAS市場で40%のシェアを取り、世界で通用するソフトウェア会社にする」と語り、日本の市場を積極的に開拓していく姿勢を示した。
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マウンテンビュー・データ
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