IDEF準拠のビジネスプロセスのモデリングツール、CAより

2001/12/18

 コンピュータ・アソシエイツ(CA)は12月17日、ビジネスプロセスのモデリングツール「AllFusion Process Modeler4.0 日本語版(旧製品名:BPwin)」を発表した。出荷は12月19日より。

 AllFusion Process Modeler4.0は、ビジネスプロセスのモデリングが視覚的に行えるツールで、プロセスの全体像の明確化、分析や改善が可能となる。米国防省が開発した標準技法であるIDEF(統合化定義方法論)にも準拠(IDEFバージョン0、3)した。

 同社によれば、同製品利用により、ビジネスプロセスの変更が与える影響が事前に把握でき、コスト管理も容易になるという。同社製品で、データのプロセスモデリングを行うツール「AllFusion Erwin Data Modeler(旧製品名:Erwin)」とのデータの連携もシームレスに実現するという。

 同製品の特徴は、定義したビジネスプロセスを体系化し、組織内の部門・地域などグループに役割や責任を割り当てて、ダイアグラム形式で表示する「スイムレーンダイアグラム」機能。ビジネスプロセスが複雑であっても、最適化が容易に、効率的に行えるという。

 もう1つの特徴が豊富なレポート機能。レポートエンジン「レポートテンプレートビルダー」機能をERwinと共有、包括的なレポートおよびWebサイトを作成できる。HTML、RTFなど各種の形式をサポートする。

 IDEFは、米国防省が開発し、採用しているシステム化の標準技法。ICAM DEFinisionの略。IDEF0では、目的達成のために実践過程で生じる矛盾などを総括し、現状を把握・分析が行える。あいまいにされることが多い、ビジネスモデルを図式化して表現するため、現状の業務モデル(As-Is)と目標の姿(To-Be)とを明確に記述できるといわれている。

 この日、列席したBPwinユーザーである日本能率協会コンサルティング(JMAC) 横川省三氏(ビジネスモデル開発事業部 チーフコンサルタント)は、IDEFの重要性を強調し、以下のように述べた。「業務の効率化および情報化では契約、品質基準などのビジネスルールの明確化が重要になる。IDEF0は業務情報の要件定義だけではなく、コントロール情報の明確化でも非常に優れている」。そして、同氏はIDEF準拠製品の日本語化が登場により、IDEF普及に拍車がかかるのではないか、との期待を語った。

 動作環境はWindows NT/98/2000/ME、Windows XPに関しては、米国では対応済みで、まもなく日本でも対応する。価格は1ユーザー40万円で、初年度はメンテナンス料として定価の20%が別途必要。1カ月限定のトライアル版のダウンロードは同社Webサイトよりダウンロードが可能。CAは新製品の展開にあたり、Erwinですでに販売パートナー関係にあった日揮情報システムと提携した。

 米コンピュータ・アソシエイツは11月末、製品体系を一新し、それまでの6技術エリア4ブランドを、6技術エリア7ブランドに変更した。新しい製品体系では、システム管理の「Unicenter」、セキュリティの「eTrust」、ストレージ管理の「BrightStor」、オブジェクト指向データベース「Jasmine」に加え、データベースおよびアプリケーション開発ソリューションエリアの「Advantage」、ポータル・ナレッジ管理エリアの「CleverPath」、そしてアプリケーションライフサイクル管理エリアの「AllFusion」が加わっている。

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