Exchange依存からWeb標準のCRMへ、ピボタル

2002/4/16

 日本ピボタルは4月15日、同社の主力CRM製品である「Pivotal eRelationship」の一部モジュールをバージョンアップし、5月15日より発売すると発表した。

 今回バージョンアップされるのは、社内情報共有アプリケーション「Pivotal eRelationship IntraHub」の5コンポーネントと、パートナー企業との情報共有アプリケーション「Pivotal eRelationship PartnerHub」、および画面開発などを行う「Pivotal Lifecycle Engine Toolkit」の7製品/コンポーネント。

 同社のフレッド・マカレイグ(Fred Macaraeg)代表取締役は、今回のバージョンアップのポイントについて、「ユーザーインターフェイス(UI)の統一による使いやすさの追求、それから今後製品群をすべてXMLへ対応していくこと、およびSyncStreamの独立で次期リリースでExchange Serverなしで動作するようになるためのステップ」と述べた。

加ピボタル・コーポレーションのカーク・ヘリントンCTO「今回発表する製品は、企業が必要とする幅広いニーズに応える」と自信を見せる

 加ピボタル・コーポレーションのカーク・ヘリントン(Kirk Herrington)CTO(技術最高責任者)は、「私たちのビジネススタイルは、小規模なプロジェクトをしっかり行い、その結果を評価して、次のステップにつなげていくという積み重ねにある。これは、まさに今日の企業が必要としているスタイルだ」と語った。

 価格はオープンプライスだが、今回のリリースに関連して今年10月から年末にかけて「少々安くなる」(マカレイグ氏)という。

 それぞれの製品/コンポーネントのパージョンアップのポイントは以下のとおり。

■Pivotal eRelationship IntraHub
・Customer Management System r4.0日本語版(CMS4.0)
 サポート業務支援を行うサーバ製品。Windowsクライアント向けに発信できていたサポート関係の機能を、Web向けにも公開できるようになった。Active Access(AA=後述)から、サポートのインシデントの登録、サポート契約管理、知識ベースの登録などのカスタマサービス/サポート関連の機能が利用可能となった。このほか自動サポートエスカレーション、インバウンド/アウトバウンドでの電子メールの管理機能などがサポートされている。

「Windows Access r3.0」の画面。アイコンベースから大幅に変更された(画面をクリックすると拡大表示します)

・Windows Access r3.0日本語版(WA3.0)
 従来、Windows Clientと呼ばれていたWindowsクライアント用のアクセス製品。アイコンベースだった画面が、Web版と同様にメニュー方式のUIとなった。また、ショートカットの階層化ができるほか、Web版で採用されていたスマートポータルという機能を採用し、チャートやハイパーリンクを表示したり、ユーザーごとに画面をパーソナライズすることが可能となった。

・SyncStream r2.0日本語版
 従来、Windows Clientの機能だったものを独立させたデータシンクロナイズモジュール。Microsoft Exchange Serverを利用したデータの同期が、Web版からでも可能となった。

・Active Access r3.0日本語版(AA3.0)
 従来、Active Clientと呼ばれていたWebベースのクライアント製品。画面デザインがセグメントと呼ばれていた形式からタブ形式となり、Windows版クライアントのWA3.0と似た形となった。SQL Server 2000の検索機能のサポートにより類義語検索やOLEをサポートした。これまでWeb版にはなかった障害やサポート関係の情報も利用できるようになった。

・Lifecycle Server r3.0日本版
 従来、Active Clientと一体であったミドルウェア部分を独立させた中間層のビジネスロジックモジュール。これにより、今後Web化されていくピボタル製品で共通のセキュリティ情報、画面情報などが統一的に管理できるようになる。特定の時間に任意のイベントを実行できるスケジュール管理機能、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サポートによるユーザー認証の一元化が可能。

■Pivotal eRelationship PartnerHub r2.0日本語版
 販売代理店などと顧客や営業情報の共有を行うアプリケーション。XML対応の完全なWebアプリケーションとなり、XSL/CSSの採用でカスタマイズやメンテナンスが容易となった。画面はWAやAAに似たデザインに一新され、社内と社外で同じような画面で情報のやり取りが可能となった。セキュリティ管理も統合され、CMSからあるパートナー企業のある担当者だけに情報を公開するということが可能となる。

■Pivotal Lifecycle Engine
・Toolkit r3.0
 CMS4.0の画面設定を行う製品。これもUIが変更され、アイコン形式からメニュー形式となり、ショートカットホルダが装備され、操作性の向上が図られている。マルチリンガル対応となっており、ランゲージディクショナリの切り替えにより各国語のWA/AAの画面デザインを作成することができる。

(編集局 鈴木崇)

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日本ピボタル

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