日本市場重視のトランスメタ、Crusoe1000構想を明らかに

2002/5/30

米トランスメタ 社長兼CEO マシュー・ペリー氏 「今後は1.5Kg以下のPCが主流になっていく」
 「Crusoe」チップで知られる米トランスメタの社長兼CEOにこの4月、就任したばかりのマシュー・ペリー(Matthew R.Perry)氏が初来日し、5月29日に記者会見を行った。

 同社は日本市場を非常に重視しており、「ジャパン・ファースト」戦略をさらに強化していくという。ペリー氏は「日本はモバイル機器の小型化に敏感であり、また全世界のモバイル市場の3分の1は日本であることから、トランスメタは今後も日本にフォーカスしていく」と述べた。また、「x86互換の実現は重要だ。MPEG4やMP3といった新しいテクノロジは、常にx86上で実現されている」として、x86互換であるがために、さまざまなソフトウェアや技術を載せられる優位性を強調し、PCだけではなく情報アプライアンスや家電などにCrusoeが使われるだろうという期待感を前面に押し出した。

 この日はCrusoeのロードマップも明らかになった。来年以降にTM8000とTM6000の発表を予定しているという。TM8000では256bitのVLIWを搭載し、現在の2〜3倍のパフォーマンスを目指す。下位のTM6000では、x86向けのDRAM/IDEコントローラやPCIなどを統合化する予定だ。

OQO社が4月にWINHECで発表したUltra-Personal Computerを持つディッツェル氏。Crusoe 800MHz/256MB RAM/10GB HDD/800×600LCD/802.11b/Bluetooth/Windows XPを搭載、7.4(縦)×10.5(横)×2.2cm(厚み)、重さ256gというスペック

 また、創設者であり最高技術責任者兼マーケティング担当副社長のデビット・ディッツェル(David R.Ditzel)氏は、「価格1000ドル以下、重さ1000グラム以下、バッテリ駆動時間1000分(16.6時間)以上、CPUの動作クロック1000MHz以上の性能を持つ」コンピュータの開発を目的とした「Crusoe1000構想」を発表した。

 同氏は、「マイクロソフトが今年後半に発表するWindows XP Tablet Editionが、今後のPCを大きく変える原動力となる」と述べ、このWindows XP Tablet Editionとワイヤレス接続機能を搭載できるPCの開発を目的とすることを明らかにした。

 同社は、ジャパン・ファースト戦略の一環として、新たにトランスメタの日本語サイトを開設した。さらに、「次世代のモバイル・ライフスタイル」をテーマに、東京・渋谷のタウン情報やWebカメラ中継といったコンテンツを軸としたポータルサイトの構想案も発表した。

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トランスメタの発表資料

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