NECとジェネシスが提携:CTI、日本は中小規模から?

2002/6/7

左から、NECコミュニケーションネット株式会社 大塚博一 第一統括部長、NEC(NECネットワークス) 飯島裕雄 ビジネスネットワーク事業部長、ジェネシス・ジャパン株式会社 手塚 文孝 代表取締役社長

 NECは、米ジェネシスと50席以下の中小規模コンタクトセンター市場向けに戦略提携を締結し、新製品「CCBASE」を7月末より販売すると発表した。

 CCBASEは、ジェネシスの中小規模コンタクトセンター限定のミドルウェア「Genesys Express」に、NECが独自の機能を追加し、NEC製の小容量IP-PBX「APEX3600i」と一体化させた中小規模コンタクトセンタ向けのプラットフォーム製品。

 Genesys Expressは、ジェネシスの大規模コンタクトセンターソリューション「Genesys 6(G6)」のインバウンドとルーティング機能を取り出し、使用するサーバや交換機を限定した製品。

 従来、コンタクトセンター向けに基盤システムを導入しようとすると、複数のサーバを統合するため、初期構築期間に3〜5日かかっていたが、CCBASEではインストールは30分〜1時間程度で、システム全体の構築期間も大幅に短縮できるという。また、ベースがジェネシス製品であるため、ジェネシス用のCRMアプリケーションの利用も可能。さらにAPEX3600iのVoIP機能により、内線側にIP電話を実装するなど、IPソリューションも提供する。

 12月以降発表予定の次期バージョンでは、Web/電子メールに対応し、インターネットコンタクトセンターにも対応する。

 ジェネシス・ジャパン 代表取締役社長 手塚文孝氏は、「今後、中小規模コールセンターは飛躍的に伸びる。今回の提携はこのマーケットにフォーカスしたもの。同時に、日本ではIP電話などVoIPが盛り上がっているが、IP対応のコミュニケーションができるというのは大きなリードになると考えており、それを見越した提携になっている。この成功の中でこういった中小規模にミートできるパッケージソリューションを提供し、この成果をアジアに持って出られればとも考えている」と語った。

 両社は、従来から大規模コンタクトセンター向けにSI事業を展開してきたが、今回の戦略提携により、中小規模コンタクトセンター向けに製品開発と市場展開を全世界的に行う意向。まずは製品を日本国内市場に投入し、以後アジア太平洋地域を中心に海外へも展開していく予定。

 CCBASEは、NECの通信事業、SIソリューション、およびジェネシスのパートナーチャネルを中心の販売、今後3年間で国内1800セットの販売を目標とする。価格は580万円(10席)から。

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NECの発表資料
ジェネシス・ジャパン

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