6割を上回る!ネットの世帯普及率
2002/7/3
日本のインターネット人口は今年の2月時点で4619万人を上回り、世帯ベースで見たインターネット普及率は6割を上回る――これは、インプレスが今週発行する「インターネット白書 2002」の数字による。同社によると、前年比増加率は141.55%と、2001年の勢いは失ったものの、安価になったブロードバンド接続サービスなどが後押しして、今後も普及は進む見込みという。
監修した財団法人 インターネット協会 副理事長 高橋徹氏は、「すでにフェイズは変わった。いまや普及促進の努力よりも質に重点を置く新たな局面に差し掛かった」と述べ、急ピッチで進んできたインターネットの進展とともに発生した迷惑メールなどの影の部分を指摘し、対策が急がれることを示唆した。
左から、インターネット協会 副理事 高橋徹氏、インプレス 代表取締役 社長 塚本慶一郎氏 |
「インターネット白書」は、インプレスが日本のインターネット動向調査として、インターネット協会の監修のもと毎年発刊しているもの。今年で7年目を迎える。調査は、アクセス メディア インターナショナルと協力し、全国主要26都市およびその近郊を対象地域に電話で行った。調査期間は今年の2月(携帯/PHS分野、企業分野などに関しては、調査は異なる)。
同書のうち、第1章の日本のインターネット普及率の調査結果から主要なものをまとめると、以下のようになる。
日本のインターネット人口は4619万6000人で、前回の調査から1356万人が新たにインターネットを始めたことになる。同社によると、すでに調査を行った2月から5カ月経過しているため、現時点でこの数字はさらに増えており、今年末には5430万人に達すると見ている。この数字を伸び率で見ると、前年比141.55%の伸び。前回の調査の168.43%より鈍化したものの、ブロードバンドへの関心が引き続き高いことなどから、今後も着実にインターネットユーザーは拡大を続けると見ている。
e-Japanなどで指標に用いられている世帯普及率についても調査を行った。利用場所や接続機器を問わず1世帯に1人以上インターネットユーザーがいる世帯は、62.4%。昨年の46.5%からアップしてついに過半数を超えたことになる。
目立ったのが、50歳代以上の割合の増加とDSLの伸びだ。50歳代以上のユーザーは昨年の18.4%から今回は21.6%と、2割になった。「IT講習会などの効果が出てきているのでは」と編集長(兼インターネットマガジン編集長)倉園佳三氏は述べる。このシニア市場は、ビジネスの潜在性という観点からも期待が高く、傾向としては良いといえるだろう。
DSLに関しては、ユーザーが前年比25倍で急増した。ISPなどによる安価なADSLサービスの提供が目覚しいが、現在利用しているインターネット接続方法として、DSLは20.1%を占める。昨年が0.8%だったことを考えると、驚異的といってもよいだろう。ちなみに、最多はモデムによるダイヤルアップ接続(37%)。減少傾向にあるダイヤルアップ接続だが、フレッツISDNは伸びて23.2%となった。
ブロードバンドは、同誌の今年のテーマでもある。倉園氏によると、オンラインショッピングをはじめ、インスタントメッセージ(IM)などのコミュニケーション・アプリケーションなどで、ブロードバンドユーザーの高い利用率が指摘できるという。
(編集局 末岡洋子)
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