HP/コンパックがシェア大幅急落、国内サーバ市場
2002/9/6
ガートナー ジャパンのデータクエスト部門は、2002年第2四半期(4−6月)の国内サーバ市場で、11月にコンパックと経営を統合する日本ヒューレット・パッカードの成長率が大幅に落ち込んでいると発表した。前年同期に1位だった出荷シェアも5位に転落。ガートナーは「合併問題が同社のサーバビジネスにとってのマイナス要因になった」とコメントしている。
ガートナーによると2002年第2四半期の国内IAサーバ市場は、出荷台数で前年同期から17.2%の減少となり7万1007台だった。出荷金額は25%減少し、約400億円だった。ベンダ別のシェアはNECが8.8%増加し、25%で1位。デルは4.3%の増加で3位から2位にランクを上げた。NEC、デル以外は成長率を低下させたが、特にHPとコンパックを合算した場合の成長率は、54.4%の大幅な減少となった。両社の合算シェアは、前年同期は23.5%でトップ。今期のシェアは12.9%まで落ち込んだ(円グラフを参照)。
国内IAサーバ市場におけるベンダ別のシェア(ガートナー データクエストの調査より) |
UNIXサーバ市場でもHP/コンパックの成長率低下が目立つ。UNIXサーバ市場は全体で、出荷台数が前年同期比22.6%減の1万673台。出荷金額では31%減の548億円だった。ベンダ別ではシェアトップのサン・マイクロシステムズが出荷台数で前年同期から10%の減少。HP/コンパックはシェアでは2位を維持したものの、44.5%減となった。シェア3位はランクを1つ上げた富士通。IBM、NECが続く。富士通以外はすべてマイナスの成長率だった。
ガートナージャパンのサーバ・システム担当シニア・アナリストの亦賀忠明氏は、HPとコンパックについて「統合による混乱で営業が動かなかった。顧客企業の間でも戸惑いが広がっていた」と述べ、「統合後も、混乱は半年は続くだろう。今後、1+1が2になるかどうかがポイントだ」と話した。HPにとっては統合によるスケールメリットが生かせるかどうかが成長率回復の鍵になるだろう。
一方、IDC Japanが発表した2002年第2四半期の国内サーバ市場調査では、IAサーバ市場の落ち込みが目立った。
国内のサーバ市場規模は出荷台数で前年同期比18.1%減の8万2000台。出荷金額は19.9%減の1671億円だった。IDCによると四半期の出荷台数が10万台を下回ったのは2000年第2四半期以来だという。
IAサーバ市場は特に落ち込みが目立ち、出荷台数は前年同期比で18.1%減、出荷金額で23.5%の減少だった。長期減少傾向にあるメインフレームや、昨年から低迷が続いているUNIXサーバだけでなく、これまで成長を続けてきたIAサーバまでもがマイナス成長に転じた。IDCのサーバーリサーチマネージャー 中村正弘氏は、「投資額が小さいため導入が認められやすかったIAサーバも、投資抑制の対象となり、結果的に導入が見送られるケースが増えたと考えられる」と分析している。
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