99%の精度で個人照合が可能な顔検出/照合エンジン
2002/10/18
顔検出/顔照合エンジン「NeoFace」のインターフェイス(クリックすると拡大) |
NEC(NECソリューションズ)は10月17日、顔検出/顔照合エンジン「NeoFace」を発売した。デジタルスチルカメラやDVカメラで取り込んだ人の顔情報を解析し、あらかじめ登録されている顔データと照合して個人を識別する同社独自の「顔認識技術」を活用している。
検出方式(登録作業)には、「多重照合顔検出法」を採用した。これは、目に似た領域の抽出と顔の判定を組み合わせた方式で、およそ1秒間で検出を実現する。
照合方式(同定作業)には、「摂動空間法」と「適応領域混合マッチング法」の2つの方式を採用した。摂動空間法は、予想される変動を登録画像に加えることで、環境条件の変動に対応する。適応領域混合マッチング法は、類似度の高い部分領域に着目して照合を行う方式で、顔の一部が隠れていても照合が可能な方式である。
照合速度は画像1枚あたり1mmSec。データベースに登録画像が100枚あるときは1秒程度で照合を完了する計算になる。99%の割合で正確な照合を行う精度となっている。ただし、100人に1人の割合で認識不可、あるいは誤認識が起こることを高い精度とするかどうかは、意見が分かれる。
個人の認証技術では、指紋照合や虹彩照合などの技術がある。顔の照合技術は、指紋や虹彩と比較すると、確かに照合の精度は落ちるだろう。だが、使いやすさでいえば、非常になじみやすい個人照合システムとなる。
例えば、遊園地などで子どもの顔を、入り口でカメラを使ってあらかじめ登録しておき、迷子になった場合に、照合を行うことで、迷子の情報を引き出すという具合だ。また、デジタルカメラで雑踏を撮影し、登録済みの人物を照合するなどのシステムとして活用できるという。
今回同社が発売するのは、開発用製品としてVisual C++、Visual Basicに対応した「コンポーネントSDK」(250万円〜)と「開発環境ライセンス」(60万円〜)、「コンサルティングサービス」(40万円〜、および個別見積もり)など。
実動アプリケーションは、顧客の用途に応じて開発を行うことになる。エンジン性能は「世界最高レベル」(同社)とのことであり、このエンジンを用いてどのようなソリューション構築ができるかは、システムインテグレータあるいは顧客のニーズ次第ということになる。
(編集局 谷古宇浩司)
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