業界地図を塗り替える「UnitedLinux V.1.0」

2002/11/21

 米SCO、ブラジルのコネクティバ、独スーゼ Linuxと米ターボリナックスの4社は、企業向けのLinuxディストリビューション「UnitedLinux V.1.0」を発表した。UnitedLinuxは企業の大規模システムで利用できるOSを開発するため、4社が今年5月に立ち上げた共同事業。Linuxのディストリビューションを統一することで、ハードやソフトベンダによるOSの検証作業を簡単にして、サポートが広がることが期待されている。

 UnitedLinux V.1.0は英語、日本語など10の言語をサポート。「LSB1.2」や「OpenI18N」など既存のLinux標準に準拠している。スタンダードを追求したことで、さまざまなシステムが混在する企業のシステムでも利用できるという。IBMのeServerや、AMDの32ビット、64ビットのAthlon、インテルの32ビットプロセッサとItaniumプロセッサファミリをサポートする見通し。4社は、UnitedLinux V.1.0をベースに独自の機能をつけたり、マーケティングを行い自社ブランドの製品として出荷する。

 SuSEはUnitedLinux V.1.0の発表と同時に、UnitedLinux V.1.0をベースにした企業向けLinuxサーバOS「SuSE Linux Enterprise Server 8」を発表。SCOもUnitedLinux V.1.0ベースの「SCO Linux 4」を発表した。コネクティバ、ターボリナックスもUnitedLinux V.1.0をベースにしたディストリビューションを近く発売する方針だ。

 UnitedLinuxは米Red Hatへの4社の対抗プロジェクトという側面がある。欧州に強いスーゼ、アジアで広く利用されているターボリナックスがUnitedLinuxに参加し、ディストリビューションを発売することで、ハードやソフトのサポートが世界的に広がる可能性もある。LinuxのディストリビューションはUnitedLinuxとRed Hatの2つに集約され、Linuxをめぐる業界地図は大きく変わりそうだ。

(垣内郁栄)

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