@IT検索キーワードランキング、ソリューション重視の傾向

2002/12/25

 @ITの用語・記事検索(総合検索)で2002年後半に読者が検索したキーワードのランキングを集計した。その結果からは2002年のIT動向を映し出す特徴的な内容が見て取れた。ポイントは企業のソリューションへのフォーカスが強く感じられたことだ。

 集計は2002年5月から12月16日までの@ITの用語・記事検索におけるキーワード別の検索結果をまとめたもの。

 最も検索された単語は「サーバ」だった。ITシステムの中心にくるハードウェアで、@ITのコンテンツの特性を考えると納得できる1位だろう。実際の検索では「サーバ」に続けて、「Web」や「電子メール」などの単語を追加して、絞り込み検索を行ったとみられる。2位には「NT」が入った。Windows NT Serverを検索した結果だと思われるが、「Windows」は9位で、「NT」の2位へのランクインは、唐突な印象を覚える。だが、Windows 2000登場後もWindows NTサーバを使っているユーザーは多く、旧型のOSをどうにか生かそうとソリューションを求めて検索した、とも考えられる。企業が新規のIT投資を抑制する中で、象徴的な単語といえるかもしれない。

順位
検索キーワード
1
サーバ
2
NT
3
IP
4
.NET
5
Web
6
Java
7
ネットワーク
8
ログ
9
Windows
10
SQL
検索キーワードトップ10

 3位には「IP」、4位は「.NET」と流行のキーワードがランクインした。いずれも2002年に関連する製品やソリューションが多く出荷され、注目を集めた単語だ。特に「.NET」は、Windows .NET Server 2003が発売される2003年は、さらに上位にランクインしそうだ。6位の「Java」も順当なところか。最新の技術用語ではほかに、「クラスタ」が13位、「XML」が24位、「SOAP」が29位、「UML」が32位などとなっている。意外にランキングが低かったのは「Webサービス」で50位。具体的なソリューションがいまひとつ見えないのが要因だろうか。2003年には上昇すると考えられる。

 製品名では「SQL」が10位、「Apache」が12位に入った。うまく使いこなせなかったり、初心者が製品の概要を@ITで調べるために検索したのだろうか。18位には「Tomcat」もランクインしている。ちなみに「Oracle」は23位で、「VB」(Visual Basic)や「WebSphere」、「SAP」などは50位以下になっている。具体的な製品名で検索をするよりは、何をしたいかというソリューションを中心に検索機能が利用されているようだ。「ネットワーク」は7位、「セキュリティ」は11位、「バックアップ」は19位などITのカテゴリーを示す単語は上位に入っている。

順位
検索キーワード
11
セキュリティ
12
Apache
13
クラスタ
14
メール
15
ポート
16
無線LAN
17
Linux
18
Tomcat
19
バックアップ
20
ドメイン
21
ルータ
22
データベース
23
Oracle
24
XML
25
FTP
26
XP
27
VPN
28
オブジェクト指向
29
SOAP
30
SAMBA
検索キーワード11〜30位まで

 ライバル関係にあったり、対立している単語を比較すると、どちらの単語の方に勢いがあり、注目されているかがわかる。前述したように「.NET」は4位に入っているが、ライバル関係にある「J2EE」は50位以下。J2EEは登場から時間がたち、単独で検索する必要が薄れてきたのかもしれない。「Apache」は12位だったが、「IIS」は47位。同じWebサーバなのだが、大きな違いが出た。「Windows」が9位で、「Linux」が17位というのは現在の市場の大きさを考えると納得できる結果かもしれない。

 会社名でのランクインが少ないのも特徴的だ。23位に「Oracle」が入っているが、50位以下の「SAP」と同様に製品名での検索が目的だった可能性が高い。上位に入っていてもおかしくないように思われる「マイクロソフト」や「IBM」、「サン」などが50位以下というのは、注目度の低さというよりも、ソリューションに関係する単語の検索が多くて、押し出されたのだろう。

(垣内郁栄)

 

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