必要に応じて処理能力を増強できるサーバ、日本IBM

2003/1/29

日本アイ・ビー・エム 理事・ミッド・マーケット・サーバ製品事業部長 花井貢氏
  日本アイ・ビー・エムは1月28日、「IBM eServer iSeries」の新モデルを2月21日に出荷すると発表した。上位機種2モデルおよび拡張モデル、中位機種1モデル、普及機種1モデルの合計5モデル。1台を最大32区画まで論理分割(LPAR)可能、1プロセッサで最大10個のLinuxアプリケーションを稼働させることができる。OSはOS/400、Linux、Windows
、AIX(2004年稼働予定)の4種類に対応している。上位3モデルには、IBM製プロセッサ「POWER4」が搭載されている。

 今回出荷する新モデルは、スタンダード・エディションとエンタープライズ・エディションの2種類のパッケージ形態で出荷する予定。
 
 エンタープライズ・エディションには、「WebSphere Application Server Express V5.0 for iSeries」に加え、コラボレーションソフト「Lotus sametime」、システム運用管理ソフト「Tivoli Monitoring for Web」のiSeries版、データベース管理ソフト「DB2」を標準でバンドルする。

 このうち、「WebSphere Application Server Express V5.0 for iSeries」は、「WebSphere Application Server」からEJBなどを外したエントリタイプのアプリケーション・サーバである。中小規模企業をメインターゲットとする同社のビジネス・パートナーの要望をくみ取る形で製品化したが、このような層は、実はiSeriesのメイン販社となっている。

 新モデルの機能的な最大の特徴は、上位機種iSeries 825/870/890に搭載される「テンポラリー・キャパシティ・アップグレード・オンデマンド(CUoD)」である。プロセッサの追加・停止をユーザーサイドで逐次行えるサービスで、決算期や商戦シーズンなど、一定期間だけ処理能力を増強させたいとするニーズにこたえた。従来、同社が、メインフレームやUNIXサーバでは提供してきたサービスだ。増強されたプロセッサの使用料は利用日数による日割り換算で料金を精算する。

 日本アイ・ビー・エム 理事・ミッド・マーケット・サーバ製品事業部長 花井貢氏は「iSeriesの新モデルで、メインフレームやオフコンのリプレースを積極的に展開していく。中小規模企業からエンタープライズ規模までを補完できるカバー力が強みだ」と意気込む。同社の調査によると、2002年度におけるiSeriesの実売台数ベースリプレース率は、他社製オフコンからは前年比22%、他社製メインフレームでは同42%という結果であった。

(編集局 谷古宇浩司)

[関連リンク]
日本IBM

[関連記事]
IBMが他社ハードを用意したミドルウェア検証施設を開設 (@ITNews)
米IBM、初のLinuxオンリーのメインフレーム (@ITNews)
IBMの最新OSは、1台のサーバ上でLinuxと共存可能 (@ITNews)
Project eLizaの最新成果はTivoli (@ITNews)
日本IBMがStrutsでコミュニティに恩返し (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)