日本IBMがStrutsでコミュニティに恩返し

2002/10/16

ソフトウェア事業部 WebSphere事業推進部 部長
大古俊輔氏

 日本IBMは、JakartaプロジェクトのJ2EEフレームワーク「Struts」を独自に機能拡張し、「Extension for Struts」として10月21日からWebSphereのWeb上で無償リリースする。ソフトウェア事業部 WebSphere事業推進部長 大古俊輔氏は「IBMが目指すオープン化の1つ窓口として、今回のStrutsの機能拡張を位置付けている。オープンソース・コミュニティに対し日本から機能拡張の成果を返せるのは非常に喜ばしいことだ」と話す。
 
 「Extension for Struts」は、Struts v.1.0.2をベースに、同社がこれまでWebSphereビジネスで積み重ねてきたノウハウを投入し、Webアプリケーション構築において頻繁に使用される6つの機能拡張を追加した。

  1. 事前/事後処理機能の提供
  2. セッション・マネジメントの機能拡張(HTTPSessionオブジェクトが必ず同期化され、一時点で同一Webブラウザからのリクエストが1つだけ処理される)
  3. スクリーン・オーダー・コントロールの機能拡張(画面の呼び出しが正しい順序で行われることを保証する)
  4. ログ機能の強化
  5. リソース・ラッパーの追加(リソースの取得を補助し、JNDI LookUpによるオーバーヘッドを回避する)
  6. キャラクター・タイプ・チェックの追加(入力された文字の妥当性検査を提供する)

 時期は確定していないが、同社ではJakartaプロジェクトへの「Extension for Struts」の“寄贈”も予定している。
 
 「Extension for Struts」は、日本IBMが手を加えたとはいえ、オープンソースのフレームワークであり、ソースコードもすべて無償で提供されることになる。ただし、同社の動作検証はWebSphere4.0.3上でしか行っておらず、「他ベンダのアプリケーション・サーバ上でも、論理的には動作するが、保証はできない」(ソフトウェアテクニカルサポート WebSphere技術部 澤出達郎氏)。

(編集局 谷古宇浩司)

[関連リンク]
日本IBM
The Jakarta Project
The Jakarta Project:Struts

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