低コスト以外を探るVoIPアプリケーション
2003/2/6
ヒューレット・パッカード・ソリューションデリバリ(HPSD)と岩崎通信機はVoIPアプリケーションの共同開発で提携したと発表した。両社はVoIPの仕様であるSIPをベースに、企業システムと連携可能なVoIPアプリケーションを今夏までに提供する予定だ。
岩崎通信機はNTT向けの通信機器を長く開発してきた。だが、通信IP化の流れを前にVoIP技術の研究を開始。特に1999年からはVoIPの標準仕様として期待されているSIPを中心に、VoIPサーバなどを開発してきた。HPSDは米HPと丸紅、日立ソフトウェアエンジニアリングが出資する企業で、ソリューション開発、システム・インテグレーションを行っている。
ヒューレット・パッカード・ソリューションデリバリのソリューション事業部 事業部長 元木徹氏 |
今回の提携では岩崎通信機が研究しているSIPを基盤に、HPSDがIPインフラやサーバに関する技術支援をして、VoIPのアプリケーションを開発する。開発するアプリケーションの細部はこれから決めるとしているが、法人向けに岩崎通信機のSIPサーバとHPSDが開発した音声/データ連携ソリューション「isip」を組み合わせて利用することになりそうだ。HPSDのソリューション事業部 事業部長 元木徹氏は共同開発するアプリケーションについて「CRM、ERPのソリューションとVoIPのコミュニケーションを組み合わせることで法人の間に新しいニーズが生まれるだろう」と述べた。HPSDは岩崎通信機に対して技術支援に加えて、企業導入のコンサルティングなども行うとしている。
VoIPは安い通信コストや保守整備コストが注目され、東京ガスなど大企業を中心に内線電話との置き換えが進んでいる。両社がターゲットとするのはVoIPの低コスト性だけでなく、さまざまなアプリケーションと組み合わせて使ってみたいという先進的な中堅企業。両社はほかにもパートナー企業を増やす方針で、「VoIPアプリケーション開発を両社で20〜30億円のビジネスに育てたい」としている。
(垣内郁栄)
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