「トータルコストが10分の1に」、IIJが統合ネットワークサービス

2003/2/20

「IIJ SMF」のデモ風景。ルータにケーブルを接続するだけでネットワークが利用可能になる

 インターネットイニシアティブ(IIJ)はルータ、ネットワーク運用管理ツールを統合したネットワークサービス「IIJ SMF(SEIL Management Framework)」を開発、6月から一般企業やシステム・インテグレータ(SI)向けに販売すると発表した。企業へのネットワーク導入で、構築や運用、保守のコストを大きく下げるサービスで、IIJでは「トータルコストは従来の10分の1になる」と強調した。

 IIJ SMFはネットワーク回線に接続するルータ「SEIL/neuシリーズ」と、IIJ側に設置する中央管理サーバ「SUP(SEIL Upgrade Protocol)サーバ」、NTTのフレッツなどのネットワーク回線で構成。ネットワークを新たに構築する場合、ネットワーク管理者はクライアントPCからSUPサーバにアクセスし、利用するルータに対して、ネットワーク回線やIPアドレス、フィルタリングなどの設定をWebブラウザで行う。設定は、製品番号で認証されたルータに独自プロトコルで送信され、ネットワーク設定が自動で完了する。

 利用開始する場合はフレッツ回線にルータを接続するだけ。専門のネットワーク管理者でなくても、ルータを設置すれば、利用を開始できる。設定を変更する場合もリモートで一括して行うことができ、人件費などトータルコストを低減できる。全国に支社がある企業でも1人のネットワーク管理者が複数のルータを運用可能だという。ルータに対してファイアウォール機能、VPN機能、フィルタリング機能などを付加することもできる。

IIJの代表取締役社長 鈴木幸一氏

 IIJは発表会見場でIIJ SMFの構築デモを行った。ネットワーク管理者がSUPサーバにアクセスし、ルータに対してIPアドレスなどを設定。別のスタッフがデモ用に構築したネットワーク回線にルータを接続するだけで、ネットワークが開通した。ルータ側での作業はケーブルを接続するだけだった。IIJでは「真のネットワークプラグ&プレイを実現する」とアピールしている。

 IIJは一般企業に販売すると同時に、SIにもライセンス販売する。月額料は利用形態などによる個別見積もり。ルータはレンタルも行う。IIJの代表取締役社長 鈴木幸一氏はIIJ SMFについて「ルータの展開が夢だった。つなげば誰でも使えるようになるネットワークサービスの展開を考えていた」と述べた。

(垣内郁栄)

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IIJの発表資料

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