「CTI」と「CRM」で売れない時代を乗り切れ
2003/2/28
日本ピボタル 代表取締役 フレッド・マカレイグ(Fred Macaraeg)氏 |
膨大な顧客情報を管理し、次の営業活動につなげるための支援ツールがCRMソリューションとするなら、直接、顧客の声を拾えるサポートセンター支援ツールは、CRMソリューションの尖兵ともいえる。日本ピボタルが2月27日に発表した「ピボタルコンタクトセンター日本語版」はまさにそのような製品である。同社の統合CRMソリューション「ピボタル CRMスイート」の1製品を切り出し、日本語化して3月20日に出荷する予定だ。同製品の最大の魅力は「価格にある」と代表取締役 フレッド・マカレイグ(Fred Macaraeg)氏は言う。(サポートセンターの)10席400万円からという価格帯は、CTI連動のCRMソリューションとしては実際、破格である。
サポートセンター業務を支援するツールでは、日本国内ではCTIの影響力がいまだに大きい。だが、PBXを主流としたCTIソリューションは、多額の費用負担というマイナス要因とインターネット(IPネットワーク)の潮流に押され、徐々に市場は縮小しつつある。特に中小規模のサポートセンターでは、PBX使用時の“欠点”として、ハードウェアやミドルウェアにかかるインフラ費用がCRMアプリケーションを大幅に凌駕(りょうが)するという点が指摘できる。IPネットワークを活用することでインフラコストと構築期間を削減しようというのが最近のトレンドだ。NTTコミュニケーションズ ソリューション事業部 千崎敏雄氏は「PBXを利用すると(サポートセンターの)1席あたり約100万円のコストが当然だったが、今では10〜20万円程度に抑えることが可能」と話す。
「ピボタルコンタクトセンター日本語版」(クリックすると拡大) |
「ピボタルコンタクトセンター日本語版」は、オペレータの着信の自動分配(インバウンド)や保留・転送・発信(アウトバウンド)機能のほか、通話録音や運用状況のリアルタイム把握、オペレータのコール状況の統計分析、オペレータの稼働状況の監視といったサポートセンター業務の機能をCTI製品との連携で実現する。もちろん、CTI製品ごとに機能の違いがあり、連携するCTI製品によって「ピボタルコンタクトセンター日本語版」の機能もカスタマイズを加えることができる。
電話と同製品がインストールされたPCの間を統合するCTI製品が必要となるため、同社ではActiveX CT協議会(ACT)で制定されたACTコントロールに準拠したコネクタを「ピボタルコンタクトセンター日本語版」に先駆けて出荷する予定。ACTコントロールに準拠したAPIを備えたCTI製品であれば接続可能である。現在、NTTコミュニケーションズの「スマート・コンタクトセンター」での動作確認テストは完了している。
顧客との接点は、サービスや物品を売る活動以外でも、電話やインターネットを通じて対応する問い合わせや再注文にも存在する。顧客履歴を迅速に参照し、活用することで、顧客との関係を維持し、新規顧客獲得のためのアイデアを創出する役割がサポートセンター支援ツールにはある。つまり、「売れない時代の切り札」といわれるCRMソリューションの重要な1要素として、サポートセンター支援ツールは位置付けられるのである。
(編集局 谷古宇浩司)
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