データ統合技術:BEAの答えはLiquid Data

2003/3/27

日本BEAシステムズ チーフ テクニカル ストラテジスト 伊藤敬氏(右)

 日本BEAシステムズは3月26日、「BEA Liquid Data for WebLogic(以下Liquid Data)」(1CPU435万円)を4月中旬に出荷すると発表した。日本BEAシステムズ チーフ テクニカル ストラテジスト 伊藤敬氏によるとLiquid Dataは、「企業内に散在するあらゆるデータにリアルタイムにアクセスし、XMLベースの仮想的なデータビューを構成、情報統合を促進してアプリケーションからの利用を簡易化する『情報統合基盤製品』」だと言う。

 現実問題として、企業内にはルール付けのないデータが無尽蔵にたまっている。先進的な取り組みを行う企業であれば、一時期のポータル・ブームやEAIブームに乗り、JDBCやEAIツールを用いて、情報を抽出する仕組みを構築していることだろう。しかし、多くの場合、データ利用に関するルールやフォーマットが決められていないため、情報を必要とするユーザーのニーズに必ずしも合致するとは限らない。フロントエンドのアプリケーション層にも負荷がかかる場合が多い。

BEA Liquid Data for WebLogic機能イメージ(クリックすると拡大)

 このような問題に対してLiquid Dataが挑んだ解決策はこうだ。あたかも単一のデータベースが存在するかのように表現できるXMLベースの仮想的なデータビュー抽象化レイヤを設け、分散された多数の異種データソースから最新データにリアルタイムにアクセスするという発想である。企業全体に分散した複数の異種データ・ソースに対して検索を実行する技術基盤はXQueryだ。検索結果は、XML形式で得ることが可能である。

 データ統合ソリューションについては、IBMがデータ統合技術「Xperanto」を活用したDB2用の情報統合ミドルウェア「DB2 Information Integrator V8ファミリ」を発表している。マイクロソフトも、2003年後半には、SQL Serverの新バージョン「Yukon(コード ネーム)」をリリースする予定。Yukonは複数のソースからデータを統合し、 単一のデータベースに格納されているかのようにクエリーが実行可能になるとされている。そのほか、サイベースもデータ統合技術の実装ソリューション提供を計画している。
 
 実際、データ統合技術ソリューションのリリースは、データベースベンダ側からのアプローチが多いのが特徴だ。伊藤氏はデータ統合技術分野における差別化点について「BEAはミドルウェアからのアプローチを取る唯一のベンダである」とする。

 なお、同製品はBEA WebLogic Enterprise Platformを構成するコンポーネントの1つとして、BEA WebLogic Serverなどにアドオンをすることで活用する。対応プラットフォームは、WebLogic Platform7.0J、WebLogic Server7.0J、WebLogic Integration7.0J、WebLogic Portal7.0Jで、4月上旬に発表するWebLogic Server8.1には「2003年後半に対応バージョンを出荷する予定」(伊藤氏)。

(編集局 谷古宇浩司)

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