バーン、定価制導入パックで日系企業の中国進出を支援

2003/4/9

 バーン ジャパンは4月8日、中国進出を検討している国内製造業を対象にした導入パック「飛龍」を発表した。「iBAAN」の10ユーザーライセンスのほか、サーバ用ハードウェア、初年度保守費用、導入コンサルティング、トレーニング、OS、SQL Server(10ユーザー)、アドオン用開発費を含め、一律4000万円・導入期間5カ月という定価・定納期制で販売する。

 対象となるiBAANのモジュールは、調達・生産・物流・販売とビジネスモデリングツール。PLMやCRMなど他システムとの連携機能はオプションとして提供する。中国会計システム「UFSoft」の導入や中国の監督官庁向けの帳票開発も含まれる。実際の導入サービスはチノンテックが担当する。

「投資対効果を説明するためにERPベンダは製品の定価を提示すべき」と語る杉山隆弘代表取締役社長

 バーンの代表取締役社長 杉山隆弘氏は「多くの企業はゼロから中国進出プロジェクトを始める。その限られた予算の中で迅速に業務モデルを実装するには、グローバルスタンダードを実装したERPを、ノウハウあるシステムインテグレータ(SI)の下で導入するのが最適解」と語る。

 協力SIのチノンテックは、香港と蘇州にある自社工場に平均4カ月でiBAAN ERPを導入した実績を持ち、中国拠点における導入ノウハウを確立しているという。また1997年よりバーンのビジネスパートナーとしてSIビジネスを展開し、製品自体にも精通していることから今回の協業となった。すでに1社でプロジェクトが走っており、ほか2件の案件も抱えているという。両社は初年度で20件、今後3年間で累計100件の受注を見込んでいる。

 導入に関しては、まず国内でコンサルティングを実施した後、現地で構築・納入を実施する。システム導入前の「現状分析・システム構築方針・計画立案」はプリセールスフェイズと位置付け、コンサルティング料金は発生しない。導入決定後、システム化を視野に入れた詳細な計画立案・構築・導入までを5カ月以内で実施する。現在、チノンテックにはBAAN認定コンサルタントが18人、シニアコンサルタント7人が在籍。ビジネスの拡大に伴い、認定コンサルタントや中国人エンジニアの増強に努めるとのことだ。

 杉山社長は、定価・定納期制に関して「費用や投資対効果を明確にしない従来のERPビジネスに一矢を放つ」と宣言。「商品である以上、定価を明示し、その中で実現できる機能や効果を打ち出さなければならない」と述べ、中国に進出する日系製造業のデファクトスタンダードを狙うという。ユーザーの超過分については、1ユーザーライセンス45万円で提供する。ちなみに導入期間が5カ月以上かかる場合でも、価格に変動はない。同社は昨年5月にERPの定額導入を実現する「プロジェクトフィー制」を発表し、納期・価格・性能を顧客に明示する導入手法を推進してきた。今回の飛龍に関しても、ERPの定価ビジネスを推進する「定価導入シリーズ第1弾」と位置付けている。来月中には、国内中堅企業に向けた定価制導入パック第2弾を発表する予定だ。

(編集局 岩崎史絵)

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