オープン性とリアルタイム性が特徴、バーンのPLM

2002/5/28

Baan PLM President イラーナ・ジュチャ(Iiana Jucha)氏 新製品はすでに、100社以上のメーカーで実装事例があるという
 バーン ジャパンは5月27日、「iBaan for PLM」を発表した。製造各社では、“デル・モデル”に代表される受注生産型への移行が進んでいるが、製造業をターゲットとした同製品は、それに対応したものとなる。

 バーンでは“iBaanソリューションスイート”として、ERP、CRM、SCMおよびPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)で構成されるスイート製品の提供を目指しており、新製品はその構成要素の1つに位置付けられる。Baan PLM President イラーナ・ジュチャ(Iiana Jucha)氏は、今日の環境を、ERP、CRMなどのシステム、部門ごとに製品情報などの情報・ナレッジが点在しているとし、「企業システムの統合により、複数のデータモデルやライフサイクルビューにおいて情報に一貫性を持たせることが大切」と語る。さらには、サプライヤとの連携や顧客との関係もある。IT戦略と企業戦略が結びつきつつある現在、新製品により、競争優位性を獲得できるという。

 この日発表された製品は、「iBaan Product Data Management 6.1」「iBaan Lifecycle Analyzer」「iBaan Product Packager」「iBaan PDM Development Toolkit」「iBaan PDM integration for MS Office」の5製品。

 iBaan Product Data Management 6.1では、メタデータおよびファイルサーバと連携し、すべての情報がドキュメント管理や変更管理、ワークフロー機能、およびERP連携機能を持つ。iBaan Lifecycle Analyzerは、部品表の差異比較が可能で、PDMで管理されるE-BOM(設計部品表)、ERPで管理されるM-BOM(製造部品表)との間の比較ができる。これにより、製品変更の効果が把握できるだけでなく、設計と計画が一致しているかどうかといったことも確認できるようになる。5製品とも販売は6月より開始する。今後、「iBaan CPC」などの製品が順次発表され、合計11製品でソリューションが完成することになる。

 製品の特徴は、オープン性とリアルタイム性。オープン性に関しては、同社 代表取締役社長 杉山隆弘氏は、「ソリューションの“アセンブル”が必要」と語り、新製品は、すでに何らかの形でERPなどの製品が入ったヘテロジニアスな環境を前提としており、バーン製品、メインフレームや他社ERPなどの非バーン製品との統合が可能という。リアルタイム性に関しては、データ分析、情報検索、レポーティングをリアルタイムで実現。これらを製品のライフサイクルを通して行うことにより、開発期間の短縮や在庫削減、顧客への信頼度向上などが実現できるという。

 イラーナ・ジュチャ氏はバーンの戦略について、「ERPを核に、CRM、SCM、そして今回発表したPLMと、ユーザーのニーズに合わせて提案できること」とした。また杉山隆弘氏は、日本の製造業におけるERP導入比率の低さに触れ、「インハウスで最適なシステムを構築する時代は終わった。グローバルレベルの競争に打ち勝つには、パッケージソフトを組み合わせて自社のニーズに合わせることが重要」と語った。

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バーン ジャパン

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