VBAスキルを評価する新資格試験がスタート
2003/4/9
日本VBA協会の理事長に就任したEDSジャパン 代表取締役社長の佐伯達之氏 |
日本VBA協会は、マイクロソフト「Office」のマクロ言語、「Visual Basic for Applications」(VBA)のスキルを評価する新資格制度「VBAエキスパート」を4月17日に開始すると発表した。対象は一般のエンジニアやエンドユーザー。日本VBA協会の理事長で、EDSジャパン 代表取締役社長 佐伯達之氏は、「VBAはルーチンワークの処理などで、企業にとって生産性向上の大きな効果があるが、資格についてのインフラがなかった」と述べて、VBAエキスパートを創設した理由を説明した。
VBAを利用するとOfficeの定型業務を自動化することができるほか、簡単なアプリケーションも開発可能。日本VBA協会は、企業内でのOfficeの利用で「ルーチンワークを効率的に処理できる人材が必要とされ始めている」と判断。企業内でのVBAスキルへのニーズが今後、高まると考えた。
ただ、「VBAユーザーは自分のスキルを客観的に証明することができない」(発起人兼事務局長の大村あつし氏)ために、VBAエキスパートを創設し、エンジニアやユーザーが自らのスキルを売り込んだり、企業側が従業員を雇用するうえでの指標になるようにした。情報システム担当者から事務系スペシャリスト、派遣登録者、学生など幅広い層を受験対象者としている。
VBAエキスパートはExcel 2002とAccess 2002が対象。初級者が対象のベーシックから、中級者向けのスタンダード、開発者向けのプロフェッショナルの3段階の試験を実施。まずExcel 2002のベーシックとスタンダードの試験を4月17日に開始する。Access 2002のベーシックとスタンダードが8月1日開始、Excel 2002とAccess 2002のプロフェッショナルが10月1日に開始する予定となっている。
試験はコンピュータ試験事業最大手のアール・プロメトリックが運営する全国約110会場で実施。PC上で答えを選択するCBT(Computer Based Testing)方式で行う。受験料金は、Excel 2002のベーシックが1万3500円。Excel 2002のスタンダードが1万5000円となっている。ほかの試験も同額になる見通し。日本VBA協会に協賛する出版社が対策テキストの発刊を予定している。
日本VBA協会では、初年度の資格取得者として、Excel 2002が1万2000人、Access 2002で8000人の計2万人を見込んでいる。試験開始3年目には全体で11万人の資格取得者の輩出を目標としている。
日本IBM副社長、ナスダックジャパン社長などを歴任した佐伯氏は、VBAエキスパートについて「ナスダック社長のときに構想を聞き、世に役立つ、やりがいがある資格試験と思い、今回理事長を引き受けた。現在、62歳だが国や社会に少しでも貢献できればと思う」と述べて、VBAエキスパートの社会的な意義を強調した。
(垣内郁栄)
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日本VBA協会
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